「島田陽子さんを偲んで」犬神家の一族(1976) 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
島田陽子さんを偲んで
2022年7月25日大腸がんのため死去
享年69
過去に何度も鑑賞
U-NEXTで鑑賞
原作未読
原作は『八つ墓村』など金田一シリーズの横溝正史
監督と脚本は『ビルマの竪琴』『野火』『黒い十人の女』『破戒(1962)』『竹取物語』『天河伝説殺人事件』『四十七人の刺客』『どら平太』の市川崑
脚本は他に『修羅雪姫』の長田紀生と『竹取物語』『天河伝説殺人事件』の日高真也
音楽は『ルパン三世』『スペースコブラ』『小さな旅』の大野雄二
日本映画の金字塔の名に相応しい名作
遺産相続をめぐる異母姉妹の醜い争い
5人を殺害し自殺した松子
犬神家の家宝でもある斧・琴・菊(よき・こと・きく)に準えた静馬らの工作がミソ
金田一のしまった!はいつものことである
原作は映画の尺の都合とわかりやすさとビジュアル重視で多少は改変されているようだ
回想シーンはアートなモノクロ
但し白塗り三姉妹襲撃はカラー
佐兵衛の女好きが災いして人間関係がちょっと複雑でわかりづらいかも
にしおかすみこのネタでも有名な静馬の足は衝撃的
しかし佐清の証言からにして湖の底に突き刺さっていたのかは自分の中では謎のまま
菊人形に置かれた生首がどう見ても偽物なのが痛い
70年代とはいえ残念だ
とはいえあまりにもリアルだと年齢制限がかかるかもしれないので難しいところだ
静馬の母の死亡した年が矛盾している点は製作側の凡ミスだろう
70年代だけに細かい点は雑だったりする
大女優高峰草笛の迫力
島田陽子が可憐
坂口良子が可愛い
なぜ娘は似ていない
松本まりなの娘と同様の設定じゃないかといまだに疑っている
次女と三女の夫は名優だがセリフは少なく今回はとても地味だ
川口恒と川口晶は川口浩の弟と妹
いくら芝居とはいえ実際は兄妹なのに身籠るほどの男と女の関係になった役というのは心中いかがなものか
松たか子なら断るだろう
佐智の死体を目撃した小夜子演じる晶の表情は秀逸
若林の依頼で東京から那須にやって来た名探偵・金田一耕助に石坂浩二
松子の息子・犬神佐清と青沼静馬にあおい輝彦
犬神家の長女・犬神松子に高峰三枝子
犬神家の次女・犬神竹子に三条美紀
竹子の夫・犬神寅之助に金田龍之介
竹子の息子・犬神佐武に地井武男
竹子の娘・犬神小夜子に川口晶
犬神家の三女・犬神梅子に草笛光子
梅子の夫・犬神幸吉に小林昭二
梅子の息子・犬神佐智に川口恒
犬神製薬の創業者で連続殺人事件の大元になっている犬神佐兵衛に三國連太郎
佐兵衛の孫・野々宮珠世に島田陽子
珠世の祖母・野々宮晴世に仁科鳩美
犬神製薬の社員で佐兵衛との間に静馬を孕った青沼菊乃に大関優子
松子の母・お園に原泉
犬神家の使用人・猿蔵に寺田稔
亡くなった若林の上司で若林に代わって依頼主として金田一に謝礼を払う古館恭三弁護士に小沢栄太郎
金田一を那須に呼んだ依頼主であり殺された古館事務所助手・若林に西尾啓
「よし!わかった」橘警察署長に加藤武
橘警察署長の部下・井上刑事に辻萬長
手形の鑑定を行なった藤崎鑑識課員に三谷昇
野々宮家に詳しい大山神官に大滝秀治
盲目の琴の師匠に岸田今日子
金田一が泊まった那須ホテルの女中・はるに坂口良子
佐清が泊まった柏屋の亭主・久平に三木のり平
那須ホテルの主人に横溝正史