愛のなぎさ

劇場公開日

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解説

サイパン島を舞台に、被爆二世の青年と米軍パイロットを父にもった混血娘の恋を通して、今だに残っている戦争の傷痕を描く。脚本は「神田川」の中西隆三、監督は根本順善、撮影は「夫婦秘戯くらべ」の安藤庄平がそれぞれ担当。

1976年製作/76分/日本
配給:東宝

ストーリー

サイパン島コブラ空港に、にぎやかな観光客に混って、二人の男女が降りた。混血のトップ・モデル、セシリアと初老の男・村田である。二人は見知らぬ同士なのだが、沈うつな表情の村田に、セシリアは何故か無気味なものを感じた。セシリアは売れっ子のモデルなのだが、あまりの忙しさのために無断でサイパンへ逃避行して来たのだった。翌日、酔った日本人観光客に絡まれたセシリアは、ガイドの黒木明に救けられた。だが、客に暴力をふるったアキヲはクビになったために、セシリアは、アキラを個人ガイドとして雇った。翌日、セシリアはアキラに、戦争の遺跡を案内させた。そして、アキラが最後に案内したハゴイ基地--1945年8月、この滑走路から原子爆弾を搭載してB29が広島と長崎に飛び立ったのだ。沈潜した表情のアキラに、セシリアは昂然と言った。「日本の平和はそのおかげ。そのくらいの犠牲は仕方ないわ」アキラの顔は激しく硬ばった。「俺のオフクロは原爆の後遺症で死んだ」アキラは日本刑務所跡にセシリアを引きずり込み、「戦争がどんなものだったかを教えてやる」と叫びながら、彼女を強姦した。アキラが立ち去った後、セシリアの視線に幾つかの骸骨が入った。表に飛び出したセシリアの前に、あの謎の男・村田が、旧日本軍の軍服をまとい、片手に遺骨を入れた麻袋を持って立っていた。恐怖のあまり村田をつきのけて逃げるセシリア。アキラの小屋を訪れたセシリアは軽薄な戦争犠牲論を詫び、自分の父親は米軍パイロットだったが顔は覚えていない、と告白した。アキラも素直に先刻の行為を謝罪したことで二人の心は急速に接近した。二人は毎日のように遊んでいたが、ある日、再び日本刑務所跡付近で村田に会った。彼は日本軍全滅の直前、米軍に投降し、自分だけ生き残ったために、死んでいった戦友たちの責めを負って生きている旧日本兵だった。そして軍服に着換えて戦友の骨を拾う村田はドクロのひとつひとつに語りかけ、生き永らえている自分を責めている。戦争を知らない若い二人は感動を覚え、遺骨収集を手伝い始めた。数日後、村田は二人に感謝しながら帰国した。セシリアとアキラの愛は日ごとに深まっていったが、ある日、セシリアをトップ・モデルに育てたカメラマン、井上が彼女を連れに来た。セシリアは最初の“男”である井上を拒否できない。タレントとしての契約を完了したらアキラの許へ帰って来ると約束し、追いすがるアキラをふりきって飛行機に乗り込んだ。飛行機が離陸した時、アキラは突然、激しい自まいを覚えその場に倒れた……。病院に入院したアキラは、半年後、苦しみながら短い生涯を閉じた。英文のカルテにはこう記入されていた。“クロキ・アキラ(23歳)急性白血病--被爆2世”

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