どっこい!人間節 寿・自由労働者の街

劇場公開日:1975年5月24日

解説

前作「三里塚 辺田部落」以来、ちょうど二年ぶりに小川プロが発表した二時間一分の長編記録映画。映画の舞台は、山谷、釜ケ崎とならんで日本三大寄せ場の一つと言われている横浜・寿町--三百メートル四方に90軒の簡易宿泊所が密集し、五千人前後の人々が生活しているドヤ街である。今回は、小川紳介は編集と構成だけを担当して現場には行かず、寿町には湯本希生・渡辺孝明・原正、それにカメラマンの奥村祐治の四人がはいって、約10カ月住みこみ、19時間分のフィルムを回した。小川プロ独特の“長回し=同時録音”方式は、安い機材を駆使しながらも、みごとにこの映画でその威力を発揮している。スクリーンには、寿町の人人が、次々と登場し、自分たちの過去を語り、未来への希望を語る。そして、そのうちのある者は、映画の完成を待たずに死んでしまうのである。(16ミリ)

1975年製作/121分/日本
配給:その他
劇場公開日:1975年5月24日

あらすじ

※本作はドキュメンタリーのためストーリーはありません。

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映画レビュー

未評価 利用するだけと問われたら

2026年1月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

「さようなら昭和百年映画特集」にて鑑賞

 東京・山谷、大阪・釜ヶ崎と並ぶ労働者の街・横浜寿町に集う日雇い労働者の声を集めた小川プロによるドキュメンタリーです。

 筋ジストロフィーを患いながら生活保護だけで簡易宿泊所で孤独に暮らす人、酒を断ちたいので酒を飲まない様に見張っていてくれと懇願する人、虐められる在日朝鮮人の立場を訴える人、多くの人が差別と貧しさの中で藻掻いている姿が生々しく映し出されます。

 そんな中、「景気がよく成れば寿の人間が増える」の言葉は現在の日本に通じる示唆に満ちていました。景気がよく成れば全ての人の生活が底上げされて不安定な日雇い生活をする人は減る筈なのですが、実際には好景気とは、一部の人を効率よく使い捨て一部の富裕者をより豊かにするプロセスになっているのでしょう。

 また、「写真家やテレビは取材に来て我々を利用するだけ利用して逃げて行く」との労働者の指摘に対して映画制作者が何と答えたのかまでも紹介して欲しかった。それこそドキュメンタリーを撮る事の意味への問いかけだと思うからです。

 ちなみに、本作は確かに生々しい証言に満ちていたのですが、そのインタビューの殆どをクローズアップの長回しで次々と撮っていたので、少し息苦し過ぎました。映画作品そのものにもう少し呼吸をさせて上げる必要があったのではないでしょうか。

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