「ケモキャラ界一の美女、ハドソン夫人の魅力が爆発💕 ホームズ要素皆無のホームズアニメ!」続・名探偵ホームズ たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
ケモキャラ界一の美女、ハドソン夫人の魅力が爆発💕 ホームズ要素皆無のホームズアニメ!
スタジオジブリ第一回長編作品『天空の城ラピュタ』と同時上映された一作。というか二作。
本作は1984〜1985年にかけて放送していたTVアニメ『名探偵ホームズ』の第4話と第10話を劇場公開用にブローアップしたものであり、内容はTVアニメと全く同じものとなっている。
「ミセス・ハドソン人質事件」
ホームズの弱点はワトソン夫人であると踏んだモリアーティ教授は、彼女を誘拐してしまう。
しかし、可憐で健気なハドソン夫人の姿に、次第にモリアーティ教授の心は動かされてゆく…。
「ドーバー海峡の大空中戦!」
ロンドン⇄パリ間を飛行する航空郵便機が次々と墜落。犯人は航空郵便開通の際に発行された記念切手の価格を釣り上げようと企むモリアーティ教授だった。
ベイカー街に墜落した飛行機のパイロット、トミーとの出会いにより、ハドソン夫人の過去が明らかになる…。
演出/絵コンテを担当するのは宮崎駿。
TVアニメをご覧になったことがある方ならお分かりでしょうが、本作にシャーロック・ホームズ感は皆無。
世界最高の名探偵を主役に据えておきながら、全く推理の要素はございません😅
シャーロック・ホームズというよりは『ルパン三世』に近く、実際この2作には宮崎駿が以前監督していたルパン作品『カリオストロの城』や『死の翼アルバトロス』のセルフオマージュ…というか使い回しの展開や構図が目白押しであります。
宮崎駿作品としては日陰の作品である『名探偵ホームズ』ですが、この劇場版は必ず押さえておいてほしい。
何故なら、制作陣の座組みがヤバいのです!
演出/絵コンテが宮崎駿!
脚本が片渕須直(『この世界の片隅に』)!!
作画監督が近藤喜文(『耳をすませば』)と友永和秀(『カリオストロ』や『999』を手がけたレジェンドアニメーター)!!!
さらに美術監督は山本二三、原画には田中敦子や二木真希子が参加しているという、正に最強の布陣✨
アニメファンならスタッフロールだけでご飯3杯はいけます😋
全てのアニメをこのスタッフで作ってくれれば良いのに〜笑
これだけのスタッフが揃って、娯楽純度100%のアニメを作っているのだから、これがつまらない訳がない!!
そして、本作はケモキャラ界屈指の美女、ミセス・ハドソンがフィーチャーされた2作をまとめてくれているという超お得パック💕
ハドソンさんがとにかく可愛いんじゃ〜💕
ケモナーじゃなくても心が鷲掴みにされること間違いなしなんじゃ〜💕
特に「ドーバー海峡」での、髪を下ろしたハドソンさんは殺人級のかわゆさなんじゃ〜💕
どう見ても、あの暴走色ボケジジイは宮崎駿本人なんじゃ〜💕
ハドソン夫人のキャラ設定は、後に『紅の豚』におけるヒロイン、ジーナへと受け継がれる。
『紅の豚』でジーナに求婚するアメリカ野郎カーチスの声優は大塚明夫さん。
この人、本作の悪役モリアーティ教授の声優である大塚周夫さんの息子さんだったりします。
親子二代で宮崎アニメの主要キャスト、しかも同じような役回りというのはなんとも運命的だ。
ちなみに、オリジナル・アイデアとしてクレジットされているマルコ・パゴットさんのお名前は、そのまま『紅の豚』の主人公ポルコの本名として使われていたりします。これ豆知識。
純度100%の娯楽作品。
眉間に皺を寄せながら見るような作品ではないので、気楽に楽しく観賞出来ますよ♪
宮崎駿には、もう一回くらいTVアニメを作って欲しいなぁ〜。
※ちなみに、タイトルに「続」とついているのは、1984年に公開された宮崎駿初のオリジナル長編作品『風の谷のナウシカ』にも『名探偵ホームズ』が併映されていたから。
こちらはTVアニメの第5話&第9話とほとんど同じ内容ではあるが、TV放送に先駆けて劇場公開されたことから主要キャラクターの声優や名前が異なっている。
TVアニメ版と比べ若干尺が長くなっているが、その差異は微小なものである。正直パッと観ただけではどこが違うのかわかりません。