劇場公開日 1985年7月20日

「水島、一緒に日本に帰ろう」ビルマの竪琴(1985) Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5水島、一緒に日本に帰ろう

2014年12月3日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

悲しい

難しい

総合65点 ( ストーリー:75点|キャスト:70点|演出:65点|ビジュアル:70点|音楽:75点 )

 戦場に散っていった多くの命を目の当たりにして、いてもたってもいられなくなる。普通の兵士が体験した悲惨な出来事が彼の運命を大きく変える。別れを告げる水島の奏でる「仰げば尊し」が悲しくビルマの空に消えていく。彼の手紙が彼の過酷な決意を伝える。

 いい話だと思うが、古い映画ということもあり演出は古さを感じる。日本兵たちはのんびりと生活しているし、捕虜収容所でもイギリス軍と何の問題も無くうまくやっている。三角山の司令官と兵士との交渉は短すぎるしもっとしっかりと描かないと臨場感がない。いかにも決められた台詞を喋っていますという雰囲気しかない。水島が出会う死体は腐乱して虫が湧いてもっと汚いはず。匂いの漂わない無機質な人形のような死体はこざっぱりとしていて、そんな死体を簡単に片付けられてはあっさりとした印象しか残らない。戦争の緊迫感や悲惨さを描く演出が足りなくて、水島を決意させた心の傷が直接はっきりと伝わってこないのが惜しい。

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Cape God