劇場公開日 1985年7月20日

「セルフリメイク」ビルマの竪琴(1985) kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0セルフリメイク

2018年12月1日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 市川昆監督はセルフリメイクするのが好きなのだろう。自身1956年に『ビルマの竪琴第一部、第二部』を作っていて、しかもアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされている。

 ビルマの民家に匿われていたとき、イギリス軍がやってくる。いつものように唱歌のコーラスによって敵の目をごまかそうとしたが、夜になるとイギリス軍も歌いだす。音楽によって戦争が止められる!などと感動したのも束の間、実は3日前に停戦になっていたのだった・・・そして、降伏。彼らの部隊も投降し、ムドンで捕虜収容所に入ることになるが、水島だけは三角山で抵抗を続ける日本兵へ投降を勧める役を任ぜられる。しかし玉砕。なんとか一人生き残った水島は200キロ離れたムドンへ向かうが、日本兵の無残な死骸を見ながら嘆き悲しむのだ・・・

 収容所の兵士たちは水島に会いたくてしかたがない。一方の水島は慰霊のために僧になってしまっているので会わせる顔がない。一度、日本兵が作った橋の上で遭遇するが、知らないフリをしていたのだ。

 ずっと「埴生の宿」がテーマのように何度も合唱され、日本へ帰ることになった兵士たちとの対面でも水島本人だと確認するため歌われる・・・その後、竪琴の独奏で「仰げば尊し」を弾き、感動の波が押し寄せた。

 巨大な涅槃大仏像など美しい仏教国、日本が降伏した後だということもあり、現地の人だって日本人に優しい人ばかり。その反面、無造作に山積みされた屍たち。彼らを弔う気持ち、見てしまったために帰れなくなってしまった水島の心の奥。結果はわかっているのに、もう充分だから帰ればいいのにと願わずにいられなくなる・・・

 現地のおばあさん役の北林谷榮が大阪弁まじりなので楽しい。ずっと入ってたナレーションが兵士の中でも落ち着いていた渡辺篤。石坂浩二だけが、ちょっと弱い・・・

kossy