オーイ何処だい!

解説

「銀界縦走」と同じくワルター・リムルとギュッチ・ランチナーの二人が主演する喜劇で、アンドリュー・マルトンが監督した。助演者の主なるものはヤルミラ・マルトン、「SOS氷山」のギブソン・ゴーランド、カール・ブッフホルツ、等である撮影と作曲とは「銀界縦走」と同じく、リヒャルト・アングストとパウル・デサウとがそれぞれ担当している。

1934年製作/ドイツ
原題または英題:Nordpol-Ahoi!

ストーリー

猛獣映画万能の世の中とはいえ、いつもジャングル物ばかりではあまりに能がない、とある映画会社の社長様がお気づきになり、同社では早速女優のリタ・ノラをスターとして撮影班を作り、北氷洋へロケーションに旅立たせた。ところが、その乗り込んだ船に船員が足りないというので、ハプニング生まれの二人の大工を誘拐して来た。この二人というのがノッポとチビとの両名で、その上に両名とも間抜け者だった。水夫達からは、何かといえば散々にと咎められたのであるが、女優のリタ・ノラだけはこの二人をかわいがっていた。いよいよ船がグリーンランドに着いて、そこで撮影が始まったのであるが、ノッポとチビは事々に失策をしでかして撮影を台なしにしてしまう。その後、撮影には白熊が入用というので二人は熊狩りに行かされたが、潮流のためこの二人は離れ離れに流され、チビの方はイヌイットに救われたりする。こうして白熊の撮影は替え玉を使う事になり、ノッポが熊に扮装する事となったが、そこへ本物の熊が出て来て大騒動を引き起こす。こんな事で撮影がめちゃめちゃになったのでついに監督は二人を残して夜のうちに何処かへ出発してしまう。取り残された二人は仕方なしに氷の上をテクテク歩いていると偶然数年前に行方不明となった北極研究家のピールソン教授の小屋を発見した。そこで二人は教授を伴って帰国すると、その頃は都では彼等の珍映画が大当りしていたので、今や大スターの帰国とばかりに出迎えの群集は、教授などは置いてけぼりにして二人を取り巻くのであった。

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