悪魔と寵児

劇場公開日:

解説

「大いなる遺産」と同じくチャールズ・ディケンズの小説の映画化で、マイケル・バルコンの一九四六年作品。脚本はジョン・ダイトンが執筆、監督には記録映画から転じたアルベルト・カヴァルカンティが当たり、撮影はゴードン・ダインズが指揮した。出演者は「南極のスコット」「捕われた心」のデレク・ボンド、「ママの思い出」「謎の下宿人」のセドリック・ハードウィック、「大いなる遺産」のバーナード・マイルス、「闇の人生航路」のアルフレッド・ドレイトン、「逢びき」のスタンリー・ホロウェイ、新人スターのサリー・アン・ハウズ、製作者バルコンの娘ジル・バルコン、有名な老女優シビル・ソーンダイク、オーブリー・ウッズ、アシーン・セイラー、フェイ・コンプトン、シリル・フレッチャー等が助演している。

1946年製作/イギリス
原題または英題:The Life and Adventures of Nicholas Nickleby
劇場公開日:1950年7月4日

ストーリー

父が死んだので、ロンドンで就職しようと、ニコラス・ニックルビーは母と妹ケイトを伴って、伯父フルフを頼って上京した。金貸のラルフはニコラスをヨークシャーの田舎にある、ワックフォード・スクイーヤズの寄宿学校の教師に就職させ、ケイトを衣しょう店マンタリニの針娘にする。ケイトの美ぼうを利用してラルフはヴェリショフト男爵とサー・マルベリー・ホークの招待宴を張る。男爵に金を貸す顔つなぎ会だったが、ホークがケイトに無体なことをしかけたので、彼女は逃げて帰った。ニコラスはスクイヤーズの学校が名ばかりのろう獄なのに驚き、五歳の時から虐使されている二十歳位の少年スマイクを助け出してロンドンへ再び出て来た。しかし、一九三〇年の不景気なロンドンには適当な仕事もないので、スマイクを連れてポーツマスへ船員になろうと出掛けた。その旅立の日に彼は家を追立てられて出て行くブレイ父娘と出会った。娘マデリーンとは就職紹介所で顔見知りで、ニコラスは深く同情したが助けようもなかった。ニコラスはポーツマスへ行く途中ヴィンセント・クラムルズの旅回り劇団に加わり、二枚目として活躍した。ニコラスが半年ほど俳優かせぎをしたとき伯父ラルフの当頭でニコラスの唯一の友ニューマン・ノグスから、ケイトが危い直ぐ帰れと知らせて来た。スマイクを劇団に頼んでロンドンで駅馬車の休憩で茶屋に入ると、ホーク等がニクルビー夫人を嘲笑し、明日はいよいよケイトを玩具にするぞと話しているのを開き、大格闘をしてホークを半死半生の目にあわせた。ロンドンに着くと、ラルフの貸家に住んでいる母と妹を以前のラ・クリーヴィ嬢の下宿に引っ越させた。ニコラスは運よく貿易商チリブルに雇われ、その別荘に住まわせてもらうこととなったので、母と妹とラ・クリーヴィと更にスマイクも呼んで楽しい生活が出来るようになった。チリブルから頼まれて彼はブレイ嬢に会うため、キングス・ベンチ刑務所へ行った。それは思いがけなくマデリーンであった。彼女の父ブレイが借金を払えないために投獄されたので、病気の父に付添っているのであった。その金貸はラルフで、年がいもなくマデリーンに求婚し、妻になるなら借金はぼう引きするというと、父への孝行とマデリーンは承知した。一方スマイクの居所を知ったスクイーヤズは、彼をおびき出してヨークシャーへ連れもどそうとしていた。ニコラスはノグスの急報で、宿屋に追附きスクイーヤズをのして、半殺しにされているスマイクを救って帰った。スマイクはケイトに想を寄せていたが、彼女がチリブルの甥フランクと相愛の仲と知り、さびしく息を引取った。一方ノグスはラルフの悪事を警察に知られたので、ラルフは進退きわまった。。しかもスマイクは彼の息子であり財産のあった妻が産褥で死んだので、生まれなかったこととして、妻を病気と届け出しスマイクの所有となるべき財産を横領し、スマイクを里子に出したのであった。里親は五歳まで養ってスクイーヤズに預けたのであった。驚いたラルフがニコラスの家へかけつけた時は、虐待の傷でスマイクがめい目した後だった。絶望して帰宅すると警察が捕縛にやって来たので、ラルフは自ら縊れて最後をとげた。ニコラスがみなし児となったマデリーンと、妹ケイトがフランクと結婚したことは言うまでもなかろう。

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