忘れじの巴里

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解説

かつて「若草物語」「第三階級」に出演したダグラス・モンゴメリーが主演する映画で戦時中に映画界に登場した新人女優ジョイス・ハワード及びアディール・ディクスンが相手役を演じている。原作はマイケル・モートンの舞台劇で、これをマージョリー・ディーンズが潤色し、ジェームズ・シーモアが脚色、ジェームズ・ウイルスンが撮影した。バレエはアンドレ・ハワードが振附け、シューベルト、ショパン、ムソルグスキー等の音楽によりバレエ・ラムバート一座の踊りが出演している。なお主題歌はジョージ・メラクリノが作曲した。助演はコンサート・ピアニストであり女優であるイヴォンヌ・アルソオをはじめ、ポール・コリンズ少年、ユージン・デカーズ、ジョン・ウォーウィックその他腕達者をそろえている。

1947年製作/100分/イギリス
原題:Woman to Woman

ストーリー

カナダの富有な家に生れたデイヴィッド・アンソンは、建築家であったが大戦勃発と共に陸軍大尉となった。彼の妻シルヴィアは社交界名流の令嬢だったが、子供をもつと美しさが損われるといって、嗣子をほしがる夫の気持ちを考えてもくれない。家庭に幻滅したデイヴィッドは、むしろ喜んでフランス戦線へおもむくしかも彼の任務は、ドイツ軍の後方にパラシュート落下して、後方を混乱させるサボタージュ作業という危険なバレエの踊り手ニコレット・ボンネに紹介され、彼女の親友であり後見役のアンリエットの不賛成を押切って、二人は恋に堕ちて了う。しかしデイヴィッドは自分の軍人としての使命が、彼女に不幸をもたらすことを恐れて、愛しながらも最後の線をふみ越えなかった。それにも拘らずニコレットの恋は烈しく彼が命を受けて飛行場へ行くのに同行し、飛行場近くの農家で最後の数時間、愛の抱擁にすべてを忘れた。それから数ヵ月、彼から消息はなく、マジノ線は破れ、ドイツ軍は西欧を席巻した。ニコレットは身重であった。彼女はアンリエットと共に愛人の祖国のイギリスへ渡った。デイヴィッドは同志と共に何年も任務を尽くしていたが、ヒトラー退却のころ、重傷を追い左腕を失った。除隊となった彼はニコレットを探して、失望のうちに帰英。シルヴィアは戦傷の勇士となった夫を歓迎し、彼女が肝入りしている傷い軍人援護会主催の演芸会へ伴った。その舞台で踊っているのはニコレットであった。デイヴィッドは楽屋へとんで行った。狂喜したニコレットはこう奮のあまり、次のバレエで失神した。デイヴィッドは介抱しつつ、彼女の家へ行き、息子のデイヴィッド二世と初対面した。三人は固く愛をちかい合い、デイヴィッドはシルヴィアに凡てを告白して、離婚を求めた。しかし彼女は耳をかそうともしない。デイヴィッドは結婚しなくてもいいというニコレットを、いじらしく思い親子三人でパリへ行こうと言った。しかしガブロン医師はニコレットを診察して、心臓が弱っているから余命五年だが、バレエを踊れば即死するから踊るなと宣告する。彼女は医師に口止めし、シルヴィアに面会し、デイヴィッド父子を渡すから、子どもを正式に入籍してくれと頼む。そしてニコレットは最後のステージに立った。ガブロンに事の次第をきいて、デイヴィッドがかけつけた時は、ちょうど「死と乙女」の終曲で、ニコレットは舞台に倒れるとそのまま帰らぬ人であった。悲痛を胸にデイヴィッドは、幼いデイヴィッドを忠実なアンリエットと共に、愛のふるさとパリへ旅立った。

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