ガスの灯りのレビュー・感想・評価

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4.0【この優れたるオリジナル作品有りて、優れたるイングリッド・バーグマン主演でハリウッドリメークされた作品ありき作品。映画の正の連鎖を感じさせる作品である。】

2024年1月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

■20年前にバーロウ夫人がルビーの宝石目当てに殺され、犯人は宝石を見つけられぬまま逃走した。
 以来空き家だったその家にポールとベラという夫婦が越してきた。妻のベラは物忘れと神経過敏に苦しんでいたが、夫のポールはなぜか毎晩隣のアパートに通っていた。

◆感想

・今作のストーリー展開はイングリッド・バーグマン主演でハリウッドリメークされた作品とほぼ同じである。
 だが、ドラマティック性ではハリウッド作品が長けるが、今作の滋味深い作品のテイストも好きである。

<映画って、優れたるオリジナル作品があり、それに触発された監督がリメイクを作る過程を私は全く否定しない。
 それは、観客動員を意図したモノかもしれないが、それでも良いではないかと思うのである。
 近作で言えば、綾野剛主演の「最後まで行く」は韓国映画のリメイクであるが非常に面白かったし(速攻でオリジナルも鑑賞した。)、リーアム・ニーソン主演の「バッド・デイ・ドライブ」も面白く、速攻でドイツ、韓国のリメイク版を鑑賞した。
 同じ流れながら、国によって作品のテイストは微妙に異なり、どの作品もとても面白く鑑賞した。
 リメイク映画を比較して、”ヤッパリオリジナルが一番!”と言う意見を否定する気は毛頭ないが、オリジナルが優れているからこそリメイク映画が出来るのである。
 リメイクは二番煎じではない。
 そこには、映画を愛する映画製作陣の”オリジナルを越えてやる!”と思いがあるからこそ面白き作品が多数出来るのだと思う。>

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NOBU

4.0なかなか面白いサイコ・サスペンス

2023年1月14日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

『ガス燈』(1944)が大傑作なので、あまり期待せずに観てみたら、なかなか面白いサイコ・サスペンス映画であった。

「どうしてもイングリッド・バーグマンとシャルル・ボワイエを思い出してしまうかな…」と思いながら観始めたら、この映画ではこの主演2人が「妻を精神的に追い詰める夫」&「精神的に追い詰められる妻」を好演していて、本作(1940年)の4年後に作られた傑作と比較する余地を与えないテンポ良さ。

オープニングも、ある部屋で座っている老婆の背後から迫る殺人者、そしてその殺人者を映さないカメラが上手くて、その後のヒッチコック映画などを思わせるような見事な場面。

その殺人事件が起こった家は長年借り手がいなかったが、ある夫妻が住み始めるが、夫は妻を「アレはどこやった?」・「また盗んだのか?」などと妻を追い詰めていくが……と、これは物語を知っていても楽しめるサスペンス。

原題『Gaslight』であり、本作の邦題は元々『ガスの灯り』とされていた映画。
この映画があってこそ、あのイングリッド・バーグマンにアカデミー賞をもたらした傑作が生まれたのだが、納得の「オリジナル版の映画」であった。
(※)大元の原作は、パトリック・ハミルトンの戯曲。

[余談]
最近発売される廉価版DVD-BOX(10枚組)は、「サスペンスBOX」とされていても【まったくサスペンスじゃない映画】が収録されていたりしてイマイチ感があった。
今回は本作ではなく別の作品が収録されていたので一応買ってみたが開封までに時間かかった(笑)
本作は面白かったが、他の映画は「サスペンス映画じゃないかも…」と思いながら、ボチボチと観ていく予定。

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たいちぃ