猫橋

解説

「支配者」「空中劇場」のハンネス・シュテルツァーと「モスコーの夜は更けて」「炎え上るバルカン」のブリギッテ・ホルナイが主演する映画で、ヘルマン・ズーデルマンの小説に基づき「空中劇場」のハンス・H・ツェルレットとフリッツ・ペーターブーフとが協力脚色し、ペーターブーフが監督に当たりゲオルク・クラウゼが撮影したもの。助演者は「炎え上るバルカン」のエルゼ・エルスター、ウイリー・シュール等で、音楽担当は「炎え上るバルカン」のワルター・グロノスタイである。

1938年製作/86分/ドイツ
原題:Der Katzensteg

ストーリー

プロシャがナポレオンの勢力に支配されていた時代、シュランデン伯爵の息子ヴェルナーは親ナポレオン派の父と相容れず、密かにベルリンで組織された愛国学生隊に参加すべく居城を去る決心をした。恋人であるゲッツ牧師の娘ヘレーネに変わらざる心の証として指環を与え、彼女から銀の十字架を受けて彼は出発した。伯爵家に仕える女中レギーネの父親ハッケルベルクは、密猟常習のかどで死刑を宣告された。父親助けたさの一心から、彼女は同家に駐在するフランス兵を案内してプロシャ義勇軍を襲わせたので、プロシャ軍は二百六十一名の兵士を失い、ハッケルベルクは逃走した。ヴェルナーはベルリンでバオムガートと変名してブリュッヘル将軍の配下に属し、フランス軍と闘って殊勲を顕したが、不幸にも敵に捕虜の身となった。味方では彼が戦死したものと信じていたが、戦勝祝賀宴の最中に奇蹟の生還をして一同を驚かせた。その時彼は父伯爵の死を聞いて東プロシャの故郷へ帰ったが、村人は伯爵が親仏家だった事から葬儀の執行に反対した。伯爵の居城は怪火に焼き払われて廃虚の如くになり、ただ一人仕えたレギーネは村人から敵扱いにされていた。ヴェルナーは村民の反対を押し切って葬儀を行い、レギーネは襲われて負傷したがヴェルナーに助けられる。間もなく有名な愛国者バオムガート小尉こそヴェルナーである事が判明したけれど、村人の反感はそれでも消えなかった。そして婚約者ヘレーネさえ、理由も云わずに指輪を返して来た。荒れ果てた邸にたった二人きりで住む間に、ヴェルナーとレギーネは何時しか愛する様になったが、間もなくエルバを脱したナポレオンの挙兵に対し、プロシャの男子は再び銃を取った。ヴェルナーはかつての婚約者ヘレーネに別れを告げた。その帰り道、迎えに来たレギーネは物影から彼を狙ったハッケルベルクの銃を見ると、身を投げかけてヴェルナーを護りその腕に抱かれて死んだ。涙をふるったヴェルナーは、今こそ日頃の敵愾心や憎しみを忘れて部下となった村人を従え、祖国の為に戦場へ急いだ。

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