可愛いドリイ

解説

「連隊の花嫁」のアニー・オンドラが主演する映画で、オンドラ映画の殆ど全部が監督者であり、「青空を衾に」をものしたカール・ラマックが監督したもの。脚本はチャールズ・ディッケンス作の小説に基づき「白鳥の舞」のクルト・J・ブラウンが書き、撮影は「旅順港」「連隊の花嫁」のオットー・ヘラーが、音楽は「空中劇場」のレオ・ロイクスが、夫々担当した。助演者は「魂を失える男」「黒衣の処女」のマチアス・ヴィーマン、「ひめごと」のヒルデ・ヒルデブラント、「夜の鴬」のグスタフ・ヴァルダウ、「第九交響楽」のクルト・マイゼル、「三文オペラ」のフリッツ・ラスプ等である。

1934年製作/ドイツ
原題:Klein Dorrit

ストーリー

エミイ・ドリットは優しい乙女だった。可愛い彼女のことを、人はよく小さなドリットと呼んだ。それはドリット一家のうちでは、彼女が一番まともな人間らしかったからでもある。何故なら、父のウィリアム・ドリットは積もり積もった借金が払えず牢屋住まいをしているし、姉のリリイは三文芝居の女役者だし、兄のピットは飲んだくれの博奕打だったからだ。それだのに小さなドリットだけは境遇に似合わず素直な、気質のいい娘で、明るい気性なので毎日まいにち牢屋で、父のウィリアムをはじめ牢の人達を慰め、皆の心持ちに陽の光にいるお父さんの誕生日を祝う為に、リリイの楽屋を訪ねた。姉さんはお銭も何も呉れなかったが、其の時楽屋で逢った青年のアーサーは小さなドリットを踊り場へ連れて行って呉れ、色々と御馳走をして呉れた。小さなドリットは御馳走を食べるふりをしては、エプロンの中に包んでお父さんの誕生日祝いにしようとした。その様子をアーサーは知らぬ顔をしながら、見てしまったのだった。帰る時、彼は送ってあげると言ったが、小さなドリットが行くところは父さんが住んでいる牢屋なので、送って貰うわけにはゆかない。それで彼女は隠れ隠れて苦心して逃げ帰ったがアーサーは小さなドリットの行き先を突きとめた様だった。アーサーは身分の高いクレナン家の一人息子だったので、お母様は身分の卑しい娘と親しくするのを疑い、アーサーと小さなドリットを別れさせようとしたが、本当に愛し合っている二つの心を割くことは出来なかった。アーサーはウィリアムがお人よしな為に、もう返済してしまった借金を払えないのだと思って牢屋に入っている事を調べ上げ出牢の手続きをしてやった。そしてアーサーと小さなドリットの愛の美しさにクレナン夫人の頑なな心も溶け、遂に二人の結婚は許された。

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