黒い瞳(1935)

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解説

「モスコウの一夜」「ゴルダー」のアリ・ボールが、「乙女の湖」のシモーヌ・シモン及びジャン・ピエール・オーモンを相手に主演する映画で、「沐浴」「吼えろ!ヴォルガ」のヴィクトル・トゥールジャンスキーが原作・脚色・監督したもの。台詞は「胡椒娘」「別れの曲」のジャック・ナタンソンがジャン・ピエール・フェイドーと協力執筆し、音楽はミシェル・レヴィーンの担当。撮影は「ゴルダー」のアルマン・ティラールと「モスコウの一夜」のルイ・ネが受け持っている。助演は「ミモザ館」のジャン・マックスを始め、ジャンヌ・ブランドー、クリスチアーヌ・リーブ、アンドレ・デュボスク、マクシュディアン其の他である。

1935年製作/フランス
原題:Dark Eyes Les Yeux Noirs

ストーリー

大戦前のことである。モスコウのエルミタージュというカフェの給仕長イワン・イワノウィッチは、客扱いが巧く、客受けが非常に良かった。その為に今では小金も蓄めて、高利の金を貸したりして居る。彼にはターニャという一人娘があった。ターニャには彼は身分を秘して居た。卑しい商売だ、と娘が肩身の狭い思いをするだろうという心遣いからである。ターニャの音楽教師カルポフは秘かに彼女を想っていた。しかし彼女の方では自分はカルポフに好意以上のものを感じては居ない、と思い込んでいた。そして処女らしい浮気心から、不図知り合った中年の紳士ルーヂンに誘われるままに、芝居見物や郊外散歩に出掛け、自分は恋をしている、と考えていた。ルーヂンは大銀行家で、奇縁というものか、イワン・イワノウィッチはエルミタージュ買収の目的でルーヂンに借款を申し込んでいたが、娘が好色なルーヂンと戯れにせよ恋をしているとは知らなかった。そして遂に或夜ルーヂンはターニャをエルミタージュの特別室に連れ込んだ。彼女に酒を強いて、処女の誇りを奪おうという積もりなのだ。イワン・イワノウィッチは、それを知ると身も世もあらぬ心地がした。そして最後の瞬間が迫った時、父は娘を救い出した。そして今迄嘘を吐いて居たことを娘に詫びるのだった。男の怖ろしさを始めて知ったターニャはカルポフの純情の尊さを覚った。ターニャとカルポフが婚約する日は近いであろう。それを誰よりも喜ぶのはイワン・イワノウィッチである。

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