女郎蜘蛛
解説
1921年度のフランス映画の傑作としてその当時はフランスのみならず、欧州に迄も鳴り響いた映画。そしてジャック・フェーデの出世作。原作はピエール・ブノアの小説。主演は、スタシア・ドゥ・ナピエルコウスカとジャン・アンジェロ。その他ジョルジュ・メルシオル、マリ・ルイズ・イリイブも出演している。無声。
1921年製作/フランス
原題または英題:L'Atlantide
ストーリー
砂漠の奥深くホガアルに住む謎の女王アンティネアは男を捉えて来てはそれを自分の宮殿に虜とし、やがてはその死体をミイラとして広間に止めて置く。不思議と冒険との魅力にひきずられて迷い込んだ二人のフランス士官、モランジュとサンタヴィとの内、モランジュは女王の願い容れられぬとあって、女王はサンタヴィをその誘惑の虜とし、夢現の境の内、モランジュを殺させる。サンタヴィは親友の復仇すら果たせず、女奴隷タニト・ゼルガの助けを得て謎の宮殿を脱出し、タニト・ゼルガは空しく砂漠の鬼と化したが、彼は熱沙中に九死に一生を得て都へ帰る。が、都へ帰った彼は再びアンティネアの魅力に心惹かれる。彼はホガアルに帰りたく思う。この話を彼から聞いた士官フィリエエルも神秘と冒険とへの憧れに捕らえられる。女王からの招きの使者が音もなく来た。三人は馬を並べて、夕の砂漠を、再び都へ帰ることはできないと知りながらアンティネアの国へと急ぐ。地の様な夕陽は砂漠の彼方へと落ちて行く。