雪崩(1923)

解説

ディミトリ・ズーバロフ氏の原作に基づいてジャック・フェーデ氏が脚色監督したもので「面影」に先んじてスイスで撮影された。主役は「二人孤児」主演のジャン・フォーレ君で、少女俳優アルレット・ペラン嬢及びピエレット・ウーィエズ嬢が共演し、「面影」「サラムボオ」等出演のヴィクトル・ヴィナ氏、「ヴィドック」出演のラシェル・デヴィリス夫人、アンリ・デュヴァル氏等が助演する少年悲劇である。因みに本映画はフランスのジャン・ド・メルリ社が発売しているが製作者は原作者であるディミトリ・ズーバロフ氏(スイス)である。無声。

1923年製作/スイス
原題または英題:Children's Faces Visages d'Enfants

ストーリー

スイスの上ヴァロア県の片田舎サン・リュークの村長ピエール・アムスレは妻に先立たれ息子のジャンと幼い娘ピエレットを抱えてやもめ暮らしの不自由を味わねばならなかった。ジャンは神経質な少年で亡き母を慕っていた。夫に死に別れて困っているデュトウ未亡人を父親が後妻に迎えたことはジャン少年の感じ易い心を非常に傷つけた。彼には一家には主婦が無ければならない事や妹ピエレットの養育に女手が必要な事などを考えて父の気持ちを肯定する余裕はなく、一図に亡き母を慕って新しい母には決してお母さんとは呼ばなかった。そうして彼女の連れ子アルレットとは争いの絶え間もなく淋しい少年の心は日毎に僻んで行った。或る雪晴の日、父はジャンとアルレットとを橇に乗せて帰る途中ジャンは義妹が大切にしている人形を棄てて知らぬ振りをした。家に帰ってからアルレットは人形を失ったことを知って泣いた。夜更にジャンにそそのかされ人形探しに赴いたアルレットは戻らなかった。ジャンは唯アルレットが叱られるのを見たさにした事が段々空恐ろしくなって来た。戸外には雪崩の音がした。彼は遂にすべてを両親に打明けた。驚いた父は悲しむ母と共に探し気絶したアルレットを漸く救い帰った。ジャンは夜を一夜悶え明かした。父がひどく叱責しないことが却って彼の心を痛め遺書を残して激流に投身した。新しい母は命を賭けてジャンを救った。ジャンの僻みは癒え彼は新しい母を親しくお母さんと呼ぶ日が来た。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く