ワルツ合戦

解説

「カイロの結婚」「モード巴里」のレナーテ・ミュラーと「カイロの結婚」「私は昼あなたは夜」のヴィリー・フリッチとが主演し「私は昼あなたは夜」と同じくルドウィッヒ・ベルガーが監督したウーファ社の大作たる音楽映画である。脚本は「狂乱のモンテカルロ」のハンス・ミューラーと「会議は踊る」のロベルト・リープマンとが合作したもので、撮影は「会議は踊る」のカール・ホフマン、音楽は「別れの曲」のアロイス・メリヒャル、がそれぞれ担当した。助演者の重なるものは「会議は踊る」「春のパレード」のパウル・ヘルビガー、「たそがれの維納」のアドルフ・ウォールブリュックを始めとして、ハンガリー生れのローゼ・バルゾニー、「カラマゾフの兄弟」のハンナ・ヴァーグ、「春のパレード」のテオ・リンゲン、「巴里-伯林」のカール・ステパネック等の面々である。

1933年製作/ドイツ
原題:Walzerkrieg

ストーリー

甘く美しいウィンナ・ワルツを主調とした一昔前の物語である。時のイギリスの女王ヴィクトリアはこのワルツに寄せてアルバート公子から恋の言葉を囁かれたが、身分高き身のこととてこの返しの言葉を同じくウィンナ・ワルツに事よせて伝えようと宮廷付バレー指揮者のフィリップ卿をウィーンへとワルツの勉強にお送りになった。卿に同伴してダンサーのイロンカもウィーンに乗り込んだ。ところが、この時、ウィーンでは事も風流にワルツ合戦の最中である。当時ワルツ王と呼ばれたヨゼフ・ランナーのもとで第一ヴァイオリンを奏でていたヨハン・シュトラウスが、ランナーを無視して自分でワルツの作曲を始めたのであった。間で困ったのは鼓手のグストルとランナーの娘カティーである。ところで、フィリップ卿のウィーン入りに次いで、シュトラウスはランナーのもとを去り一党を引具して、向いの音楽堂に立て篭ってランナーに挑戦した。ランナーもカティーやその友達のズージーを臨時雇いにしてこれに対抗、その結果はやがてこの二楽団の大立回りとなった。この勇壮さに感心したフィリップ卿はシュトラウスの一団をロンドンに招くことにする。するとランナーの率いる楽団もこれを追ってロンドン入りをする。そしていよいよウィンナ・ワルツの御前演奏の日になった時、カティー方はシュトラウスを虜にしてしまう。止むなくグストルがシュトラウスに化けて臨時の指揮者になって棒を振ったところ、これが大成功、しかも女王様とアルバート公子とはこれで婚約なさる事となった。次いでグストルのシュトラウスに即座に祝いの作曲、演奏をせよという命が下る。グストルは苦しがって偶然待ち合せたランナー作曲のものを演奏して、それでその場の幕は降りた。だが納まらぬのはランナーでウィーンに帰るや詐欺罪としてシュトラウスを法廷に引き出す。その口論の中に、ランナーが卓子を殴る音からシュトラウスはマーチの作曲を始める、これに引き入れられて感興湧くままにランナーがそれを助ける。こうして生れた曲がラデッキ行進曲であった。そして一時は喧嘩別れしたグストルとカティーにも恋の復活が来、ウィーンの都はワルツと恋との楽しい夢に酔うのであった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く