偽国旗の下に

解説

マックス・キミッヒの書下ろしたストーリを、ヨゼフ・ターン、ヨハネス・プランド及びキミッヒ自身で共同脚色し、ウファで「大反逆」「タイガー」等を監督したヨハネス・マイヤーが監督し、オットー・カントレックが撮影に当たった。主役は「不滅の放浪者」「列車一三号」で最近売出のシャロッテ・スーザが共演、「愛国者」のテオドル・ロース、「人間廃業」のヘルマン・シュピールマンス、「予審」のハンス・ブラウゼウェッターが出演している。作曲は「白銀の乱舞」「青の光」のジュゼッペ・ベッチェが担当。

1932年製作/ドイツ
原題:Unter Falscher Flagge

ストーリー

欧州大戦中の頃、ドイツ軍、諜報部将校フランク大尉は、東部戦線を報告飛行の途上、射撃を受けて重傷を負い、野戦病院から故郷の衛生病院へ運ばれる。その時、彼に付き添ったのは篤志看護婦マリアで、彼女の手厚い介抱に依りフランク大尉は生死の巷から脱することが出来た。フランクはマリアを恋して、結婚を申し込んで、受けられた。その楽しい語らいもわづかの間で、大尉は間もなく或る重大任務を帯びてベルリンへ帰任せねばならなくなる。大尉が軍司令部長から与えられた任務が、ロシアのスパイ狩りであった。そのスパイ中の腕利きはスルキンと呼び、ベルリンに潜んでいる事を嗅ぎつけたが、依然、その正体は判らなかった。フランク大尉と共に、スパイ狩りに当たっているウエバー大尉と、シュルツ刑事部長は、怪しい花屋を手入れした際、ふとした事から、フランクの新妻マリアとスルキン一味の間に、何か連絡のある事を発見したが、確然たる証拠を握るまで、彼等はフランクに、それを告げなかった。やがて彼等は彼女の弟がロシア側のスパイであり、スルキンの正体である事を知った時、スパイに射殺されてしまった。けれど、その事は、フランクにも知れずにはいなかった。マリアは、幾多の危険を冒してロシアへ入ったが、愛する男を裏切った間諜として悲哀をしみじみと味わい、スパイの仕事から足を洗うべく決心した。その事情を知った諜報部長は、フランク大尉がマリアの弟を殺した、と偽って告げた。それを信じたマリアは、再びスパイとして起ち、弟の復讐をしようと、ロシア軍の占領していたワルシャワに向かった。その宴会場で、マリアはドイツの間諜として入り込んでいたフランクに会った。かつて愛し合った二人は、今、敵同志として、冷かに向かい合ったが、マリアの誤解はとけた。そして、彼女は数分後に捕縛される運命にあるフランクを、その場から逃走させてやった。然し、マリア自身は、裏切り者としてコサック兵の銃弾を身に受けなければならなかった。

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