幻の小夜曲

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解説

「掻払いの一夜」「プレジャンの舟唄」と同じくアルベール・プレジャンの主演する映画で、ポール・アルモン及びM・ジェルビドン合作の舞台劇を、フランツ・シュルツが脚色し、「ガソリン・ボーイ三人組」「ル・バル(1931)」のウィルヘルム・ティーレが監督、ニコラ及びF・ファルカが撮影を担当、助演者は「金」「厳窟王」のマリー・グローリーの他、ジャンヌ・ボワテル、マルセル・アンドレ、ポーレット・デュボー等である。

1931年製作/フランス
原題:L'Amoureuse Aventure

ストーリー

イレエヌ・ヴェルニエは、富と美貌と、そして青春とに恵まれた若き人妻であった。然し夫のジャックが商用を口実にしては情婦のもとへ入りびたっているので家庭的にはあまり恵まれていなかった。ある日、友達のエヴァが訪れ、友の淋しさを慰めようとしてイレエヌを下町のとある舞踏場へ誘い出した。そこにはかなりいかがわしい連中も出入りしているところで二人は女中風に姿を変えていたが、忽ち一人の無頼漢に言い寄られて困っていると、幸い若き製本屋マルセルが通り合わせ、イレエヌをその場から救ってくれる。イレエヌはマルセルに自分がレオニイというある富豪の小間使だと偽る。善良な心と、若さに張り切った青年マルセルはその時以来イレエヌに恋を感じる。ベルヴィンの大きな屋根裏に仕事場を持っているマルセルの所へ遊びに行くうちにイレエヌもまた恋の幻想を抱きはじめる。あくまでイレエヌを小間使と思い込んでいるマルセルはある日イレエヌが置き忘れていった手提げの中に五千フランという、女中の身分には過ぎた大金を発見し、早々彼女の主人であるヴェルニエ邸を訪問するがヴェルニエ婦人になりすませたエヴァの機転によってマルセルの不安は一掃された。その後マルセルは近くで写真屋をいとなんでいる両親のもとへ彼女を伴い、両親に二人の結婚話を切り出す。イレエヌはすっかり当惑してしまい遂に彼女は本当のことをマルセルに打ち明ける。打ち砕かれた恋の幻想、マルセルは懊悩した。やがて彼女の永遠の幸福のために、潔く一切を思い出に秘めて彼はイレエヌとの恋をあきらめるべく決心した。やがてイレエヌの夫ジャックも自己の非を悔いて彼女のふところへ帰って来た。かくて彼等が恋の冒険はマルセルの若い心に深い痛手を残すとともに忘れがたい懐かしい思い出となったのである。

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