ル・バル(1931)

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解説

「ガソリン・ボーイ三人組」のウィルヘルム・ティーレが監督した映画で、イレーヌ・ネミロフスキー夫人作の小説をフォドル、クルト・シオドマーク両氏が脚色したもの。出演者は舞台で知られているアンドレ・ルフォールを始め、ジェルメーヌ・デルモズ、新たに発見されたダニエル・ダリュー、「ル・ミリオン」のヴァンダ・グレヴィル、二枚目として古くから知られているピエール・ド・ガンガン、マルグリット・ピエリー等である。キャメラはアルマン・ティラール、装置はメエエルソンの担当。

1931年製作/75分/フランス
原題:Le Bal

ストーリー

アントアネットは婦人用の帽子や靴下を商うカンプの娘だった。彼女の一家は貧しい生活こそすれ毎日は幸福だった。日曜には父親が母と娘を連れて教会へ行った。食卓はささやかだったが楽しい毎日の夕食だった。ところがある日、株券の思わぬ暴騰から一家は急に大金持ちになった。やがてアントアネットにとって今まで見たこともない豪勢な暮らしが始まった。父親は札束を持って競馬へ行く。舞踏会へ行く。多くの有閑階級の友達が出来始める。その上今まで地味な働き好きの母親には伯爵夫人の甥とか言う若い燕までも出来るようになる。金持ちになってから娘はいつも独りぼっちだった。いつも一緒にいる者と言っては年寄りの女音楽教授にイギリス婦人の家庭教師だけ。彼女は親たちからかえみられもしない。その寂しいアントアネットに招待状の仕事が託された。我が成金の両親が催そうという舞踏会の招待状。だが彼女はそれを出す気になれなかった。招待状の束はその夜遅くセーヌの流れに浮かんでいた、舞踏会の当日。何も知らない両親は大勢の召使いを雇い入れて来客を待った。が、誰一人来る道理がない。訪れたのはお婆の音楽教授ただ一人。その時ホールで大笑いが爆発した。堪えきれなくなった召使いの笑い声だった。父と母はそこで漸く根性が恥ずかしくなってきた。そんな交際なんかできなくったっていい。明日は日曜。静かな散歩が待っている。親子三人は久しぶりで楽しい夕食を共にするのであった。

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