「その後の世相を反映した映画‼️」M(1931) 活動写真愛好家さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0その後の世相を反映した映画‼️

2023年5月16日
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泣ける

怖い

興奮

この作品で最も有名なのは「ペールギュントの口笛」でしょう。殺人鬼が登場する場面や、殺人鬼が次の目標である少女を尾行する場面にかぶせられる口笛の恐怖効果は絶大で、現代に至るまでの恐怖描写の先駆けになっているのではないでしょうか。だがこの作品が本当に凄いのは、殺人鬼Mの本格的捜査に乗り出した警察と、かえって迷惑だと暗黒街のギャングたちもMを捜し出そうとする皮肉な設定。両者から追い詰められたMは公開処刑されそうになる。その時のMが見せる恐怖の表情。演じるピーターローレの顔のドアップがまた怖い。そしてこの作品の公開から数年後、製作国であるドイツでヒトラーのナチスが政権を握った当時の社会情勢を考えると尚怖い・・・

活動写真愛好家