男たちの挽歌のレビュー・感想・評価
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この男を見ろ!なぜ許さない!
クライマックスでの、マークのこのセリフに何度泣いたことか。外国の劇場で観て、VHSが擦り切れるほど観て、ブルーレイ買ったら銃声の効果音がショボいんで古いDVDを買い直したり、何度観たかわかんないくらい好きな作品です。大勢の人がレビューで書いているように、兄弟や戦友との熱い絆に毎度グッときます。チョウ・ユンファの甘いマスクと、単身二丁拳銃でカチコミに行く鬼神ぶりの対比もたまらないし、撃ち尽くした拳銃を惜しげもなく捨てて、植木鉢に隠した拳銃で戦い続けるのもクール!ティ・ロンの慈愛溢れる兄の表情、そんな兄を責めたことを悔やむレスリー・チャンも素晴らしい。
THE 香港ノワール
公開当時は、カンフー(主にジャッキー・チェン)とMr.Boo!が頭の中の香港を締めていたハナタレ中学生だったのでスルーでしたが、自衛官になった当初に先輩にビデオを押し付けられて「何この熱さ!」と嵌った記憶がうっすら。それ以降、香港ノワール系の映画は度々映画館でお世話になりましたが、コレは初めての劇場。いやーワクワクしましたね。
点数はあえてのドライなので抑えめですが、あくまでも現代で初見の場合という事でご了承下さいませ。個人的には点数振り切っても良いのだけれども、不自然極まりない上にクサい且つクサい演技の応酬と、突然誰かが歌い出しそうな劇伴(特に昭和歌謡の様なヤツ)にどうしてもクラクラしちゃうので、仕方がないかなと(苦笑)。
コレは兎にも角にもチョウ・ユンファ。入り口から出口まで格好良過ぎでございます。日本の任侠ものとミュージカル映画が大好きだったジョン・ウーがそのまま溢れる、荒削りだけれども味わい深い作品なので、劇場チャンスがあれば少しだけ優しい気持ちを伴って飛び込んで頂きたいな、なんて思います。
本当の英雄とは?本当の男とは?
GWにやってる映画を下調べしようとスマホをいじったらいきなり「男たちの挽歌4K版」の文字が目に飛び込んできた!おいおいマジか笑。
公開当時TVでCM流しまくってたけど、ジャッキーチェンも出てないしB級臭が全開だったので華麗にスルーしてしまったのが今でも悔やまれる苦笑。
その後レンタルビデオで借りてどハマりし、LD、DVD、Blurayとソフトが出るたび買い集めてしまった程惚れ込んだ(個人的に)香港ノワールの最高傑作!
原題は「英雄本色」、当時はグーグル先生もいなかったので香港人に意味を聞くと「英雄の真の姿」とのこと。これはこれでカッコいいけど、日本人にとってはやっぱり「男たちの挽歌」だよね。
細かいストーリーは、各自映画を観て欲しいが、とにかくチョウユンファの男の色気が全開で、特にレストランにカチ込みに行くシーンはまさにジョンウー演出の原点。
ティロンとレスリーチャンの兄弟愛と確執、そして和解からのラストショット。そこで流れるEDテーマがまさに「男たちの挽歌」。100回近く観てるのに、観るたびに泣ける。
レスリーチャン RIP。
日本でもこういう映画が多かったらなぁ。
今年119本目(合計393本目/今月(2022年4月度)29本目)。
アマプラなどで(4Kではなく、当時のものを)見られるのは知っていましたが、ストーリーの確認のためあらすじだけさくっとみて(無料公開分)、テアトル系列に。
4Kデジタルリマスター版ということなので、ストーリーに足したり引いたりはなく、映像の乱れやフィルムの修復を行っていたりという程度のものであるようです。
※ 入場者特典に「英雄本色」と書いたチラシが渡されたのですが「本色」って何なんでしょうか…。
確かに4Kリマスター版ということで若干の音や映像の向上はありますが、ストーリーそのものが変わるわけではないので、一般版(当時版)でいいやとみなして、アマプラなどで見るか、4Kリマスター版に価値を見出して1900円(一般の方の場合)払うかはわかれるかな…とは思いますが、最近なぜかしら4Kリマスター版上映が多いところ、この作品は「それなりに」リマスターされていた点は良かったです。
ストーリーもひねりも少なく、当時、熱狂的に映画館で立ち見(当時はできたらしい。今は消防法などうるさいので)が出る程流行ったそうです(実家情報)。なるほどなという印象です。大人の営みとかどうでもいい部分をカットして、ストーリー…といっても、結局はノワールアクションなので、結局は撃ち合いになりますが…という部分にすぐに飛ばしてくれるので、「あまり考えることがなく見ることができる」という点では高評価かと思います。むしろリマスター版である以上勝手にストーリーを出すほうが問題ですし。
※ テアトル系列さん(テアトル梅田さん)って、どちらかというとフランス・イタリア映画(観るだけでなく、考えさせるタイプのものが多い)を多く流すのですが、「ほぼほぼ一本道で見る「だけ」の超娯楽映画」が来るのもアンバランスである意味笑っちゃいました。
もとのリマスター版であることも考慮して採点は下記のようしました。
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(減点0.1) 香港・台湾がメインです。当然漢字圏の国です。リマスター版という事情もあるので、明確に字幕などをあれこれ足したりはできません。漢字圏なので、多少の看板の翻訳漏れなども「ある程度は」想定はできますが(繁体字が多いことによる)、全てではないですし…。
ただ、街の看板に何と書いてあろうが、結局はノワールアクション、要はアクションものというカテゴリであり「字幕不足があるかな」といっても減点幅はこの程度でしょうね。
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初見。無理のある初期設定をはじめ突っ込みところ満載ながら兎に角面白い映画を作ろうという作り手たちの心意気が感じられて悪い点は付けられないね。
①公開当時は香港映画に限らずドンパチものは敬遠していたのでスルーしてました。今回4Kリマスター上映ということなので勉強のため初鑑賞。②4Kリマスターという割には昭和の映画/TVドラマの様な映像と昭和歌謡みたいな音楽に凄くノスタルジックな気分に。偽札作っている部屋や機械、オフィスや住居等の室内セットもチープで金掛かってないなぁ(掛けられなかった?)感が溢れておりますが、めちゃくちゃ上手いというわけではないけれども歯切れのよい演出のお陰で余り気にせずに(気にする間もなく)観れます。③兄が香港暗黒街の顔役であることを弟が大学生になるまで知らなかったなんてこと無いだろうし、マークも復讐するんなら台湾ギャングをぶち殺すより香港の裏切り者を探すべきだろう、とか突っ込みたいところも多々有りますけれども、こちらもテンポのいい演出のお陰で余り気にせずに話は進んでいきます。④主役の3人は揃って好演。レスリー・チャンはやや一本調子な演技になっているが、一番若いこともあるし役柄も若い刑事の突っ張りと兄への強い憎しみ(それだけ好きだったんだろうねぇ)を終盤まで演じれば良かったわけだから。ポスター等からすっかりチョー・ユンファが主役と思っていたら三人の中で唯一命を落としてしまう役でびっくり。でもお陰で注目されたのでしょうね。冒頭近くの白人とドルの偽札と香港のお金を交換するシーンは演出も余り上手くないし白人俳優のギクシャクした演技も気になったが、チョー・ユンファが英語が分からないのに適当に話を合わせているところがいかにもリアルで見ていて面白い。初仕事となったインドネシアでの屈辱的な思い出を語るシーンも表情の演技が上手い。下積みが長かったせいかちゃんとした演技力を培っていたのでしょうね。ただ、この映画がチョー・ユンファやレスリー・チャンの出世作になった為影に隠れてしまったようだが、ティ・ロンの好演を忘れてはいけないだろう。最初はチョー・ユンファの引き立て役かと思っていたら、刑務所から出たくらいから存在感が増し始め、チョー・ユンファとレスリー・チャンの攻めの演技を受け止める“受け”の演技に徹して映画の真の要となっている。⑤製作陣としては“男”の映画を撮りたかったのだろうから、紅一点のレスリー・チャンの恋人役はキレイであれば誰でも良かったようで、扮するどことなく沢口靖子似の女の子は演技も下手。彼女の役をもっと上手い女優がやれば作品にも深みが出たと思うのだか、まあ、男の映画➕アクション映画を撮りたかったので“女”まで気を回さなかったんでしょうね。⑥そしてクライマックス。堅気になったのに(ホー)、物乞い同然になったのに(マーク)、銃をどこで調達したんだろうとか、二人(途中で一人参戦)であれだけの人数をほぼ根絶やしにするのはどう考えても無理やろ、とか突っ込みところが頭を過るが、盛大な銃撃戦(➕爆発シーン)でどっか行っちゃいます。あの畳み掛ける様な演出と臨場感はなかなか凄い。マークが死んじゃうシーンも印象的だが、ラスト、キットが銃をホーに渡し、ホーがシンを撃ち殺した後、キットの手錠を取って自分ではめ、手錠で繋がれた(心も再び繋がった)兄弟が歩いていく姿に不覚にも(;_;)してしまった。⑦あと、どうでも良いことですけれど、邦題の『男たちの挽歌』はパッと見カッコいいけれども、映画の中身にはあまり合っていないと思う。英題の『A Better Tomorrow』ももうひとつかな。ここはやはり原題(中国語題名)の『英雄本色』(“任侠”の本分)が一番ピッタリくると思う。ホーとマークの関係には親友を越えた中国の物語に出てくる義兄弟のような関係性も読み取れるから。
ブラザーフッドも良いものだ
特に前半のチョウユンファが最高だ。彼はそろそろもう一華咲かせてほしい。植木鉢に拳銃隠すシーン何度みてもいい。
台湾で落ちぶれていたところを…というストーリーラインは現実のジョンウーたちを反映させてるらしく、そう思うと執拗な落ちぶれ描写からの反撃にもまた別の意味が。
やたら男同士いちゃいちゃするのが微笑ましい。ツイハークもちゃっかり出演。
日本語タイトルは秀逸だよなあ。
傑作すぎて映画館の大スクリーンで観られてしあわせ。すごい爆発する。
全部のシーンいいな。記憶よりレスリーチャンが活躍してた。まだ垢抜けなくてかわいい。
こんなフィルム・ノワールな映画は現在の香港では撮れないだろうなと思った。
アナクロな勧善懲悪な話だが大変に良かった。何も躊躇なく撃つのが良かった。こんなフィルム・ノワールな映画は現在の香港では撮れないだろうなと思った。勧善懲悪と言ったが、昔で言う『出入』で、悪どうしの勢力争いでしかない。しかし、ここまで銃の打ち合いでアクションを撮ろうとしていると言う事は、演技する役者が殺陣や格闘技のカタをやる能力がないのかもしれない。まぁそれは兎も角。面白いと思う。日本のvシネマがこの映画をリスペクトしたんだろうと僕は思っている。続編があるようだが、多分見ない。この映画は30年くらい前に銃撃戦の場面だけ見て、ずっと見たいと思っていた
4K修復デジタルリマスター版は期待以上な出来上がりで満足できました
30年以上前に深夜のアジア映画特集で見て大のお気に入りとなり、その後、DVDを購入して忘れたころに見たくなる作品でした。
ストーリーや銃撃シーン等は現実的に考えるのではなく、劇画だったり、別の惑星の話(例えばコブラみたいな)の実写版としてみりゃ余計なこと考えずに楽しめると思います。
画質、BGMは昔の記憶では画質、音質ともチープな印象だったように記憶してましたが、なんのなんの大変高品質に仕上がっており、BGMの音量が時々大きいすぎる以外は違和感はなかったです。
全編で90分、展開がスピーディーでストーリーもメリハリがあったこともあり、何度も見ていたのでほとんど覚えているのに退屈せずに楽しむことができました。
裏社会、友情も命がけ。 4/24(日) 再鑑賞。 5/18(水)3回目。
内容は知らないが題名は聞いたことがある。 なんかリバイバル上映みたいなので鑑賞。
マークとホーの友情が熱い。だけど裏社会の2人だから友情も命がけだぜい。
マーク。かっこ良すぎだろ。たたずまい、表情、セリフ、ファッション、全てきまりすぎててカッケー。
ホー。なかなか堅気になれないし、弟もぜんぜん許してくれなくてかわいそう。 だけど自業自得だしな。 んー、でもヤッパかわいそー。
あと弟、彼女の誕生日に家で仕事してんじゃねーよ。
それからホントに撃ちまくる。
も1回見に行く。
《追記》
【 4/24(日) 再鑑賞 】 エンドロールの映像、キリッとした2人の後ろ姿にしびれる。 このまま宣伝用のポスターに使える。
【 5/18(水)3回目 】 冒頭、マークのチャラい感じが面白い。ストーリーでよく分からない所もあるが、マークとホーにとってそんなことはどうでもイイことだ。
2022/4/22(金) ☀️ city2
. 4/24(日)☁️🌂新宿 武蔵野館
. 5/18(水) city1
チープなシンセサウンドと共に蘇った名作は公開当時に感じたよりも鋭く胸を抉ります
公開当時は学生だったのでピンときていなかったことがグッと胸に迫ります。贋札取引で名を馳せマフィアの幹部として幅を利かせていたホーとマークが奈落の底に突き落とされる中盤はうだつの上がらないサラリーマン人生を歩む身としては全然他人事ではなくスクリーンが涙で滲みました。敏腕刑事としてガムシャラにマフィアを追い詰める刑事キットは兄ホーがいる限り出世できない。ホーはキットのために足を洗おうとするが更生の道のりは茨の道。因果応報と呼ぶには余りにも残酷な手段で追い詰められたホーとマークが男の誇りを賭けて立ち上がる頃にはもうハンカチがグショグショになっていたので終幕はもう嗚咽です。これはもう泣けに泣けました。
レスリー・チャンもいいんですけど、やっぱりオッサン目線だとティ・ロンとチョウ・ユンファが素晴らしい。特にティ・ロンの憂いを湛えた瞳がもうカッコよ過ぎ、永遠の憧れです。
久しぶり
ひっさしぶりに観たら、ただただ格好良く見えるシーンを繋いでいくために、いまいちよく分からん展開(あそこで説得されて復讐しちゃダメだろ…)なのは分かってたことだし、そういうもんなんだから良いんだけど…
音楽の使い方がヒクくらい古臭くて、演歌のカラオケビデオかと思っちゃったよ…
でもそこもここも含めて、好き…
英雄本色…最高!でしかない!!
新宿武蔵野館の初日初回に鑑賞。学生時代に何の知識もなく趣味であった試写会にて本作を観て、圧倒的なアクションとスタイリッシュなカッコ良さに魂を揺さぶられ、原題と英語名を知ってさらに感動しました。
今観ても凄さと懐かしさと想いが溢れすぎて、ただただ泣いてました。
80年代大映作品調
予備知識無しで視聴
全編通してどこか懐かしい、あ、これは青春神話同様、自分の好きな80年アジア。
展開早くサクサク進むのでまあ楽しめました。
ジャッキー以外のアジア好きなら一度見ると良いでしょう。
【極道の男の誇りと友情、弟を思う兄の愛を、激烈なガンアクションで描き出した作品。】
ー 抒情性に満ちた、ノワール映画である。今作の随所で流れる音楽がそれを助長している。ー
◆感想<Caution 内容に触れています。>
・極道の世界の栄枯盛衰の描き方。
ホー(ティ・ロン)とマーク(チョウ・ユンファ)が率いていた極道組織が、ホーが3年刑務所に入っていた間に、弟分だったシンが頭になっている。
そして、銃撃戦で足を撃たれたマークの落ちぶれた姿。
ー 香港では”お勤めご苦労様”極道文化はなかったのだろうか・・”
今作は、シンプルだが、観る側に響く、物語・人間関係構成の勝利した好例であろう。ー
・極道の兄ホーの弟で刑事になったキット(レスリー・チャン・・・。合掌。)が、兄が極道であるが故に、昇進出来ずに、兄を徐々に疎ましく思って行く姿。
・前科人達を雇うキン社長が経営するタクシー会社。
ホーを快くではないが、雇う姿。
そこに遣って来る、ホーに嫌がらせをするシンの手先達が、タクシーを叩き壊す姿。
ー 元前科人達を必死に抑えるキン社長。だが、ホーはいよいよ居場所がなくなって・・。
中盤の台詞”悪の組織に入るのは、簡単。だが、抜けるのは難しい・・。”ー
・キットの妻、ジャッキーの誕生日。けれど、仕事をするキット。
そこに現れたホーとキットの間に、壁が出来てしまった遣り取り。
・シンの悪辣ぶりが、今作を”勧善懲悪”映画に見せているのも、ポイントであろう。
鑑賞側は、皆、ホーとマークを心中で応援するのである。
ー マークが必死にホーとキットの仲を修復させようとする姿。だが・・。ー
<年代的に、初めて鑑賞。
序盤は、やや古めかしさを感じたりしたが、後半、ググっと面白くなる作品。
ホーが男として、親友マークを殺された落とし前をキットの銃を借りて、キッチリ付けるラストは、沁みます。>
実は第1作で終わる予定
それまでの香港映画の常識を覆した作品で香港ノワールの始まりと言っても過言ではない。
この作品でチョウ・ユンファは一気にスターダムになり主演作が増えていった。
香港版仁義なき戦いと言わんばかりの香港マフィアの跡目争いから始まり最後は友情を超えた男たちの熱い戦いが見られる。
本当はこの第1作目で終わる予定だったそうだけど予想外にヒットして第2作が作られたが主役1人が作品中で死んでしまったから無理矢理に兄弟がいた設定にして第2作目を製作した裏話は有名。更に裏話ついでに監督のジョン・ウーと製作総指揮のツイ・ハークが劇中にカメオ出演をしているが実はジョン・ウーは一時的に香港映画界から追放されていたがツイ・ハークがもう一度香港で一緒に映画を撮ろうと言って台湾から呼び戻したと言うエピソードがあるがそれをオマージュさせるワンシーンがこの作品の中にあるのでどのシーンかは皆さんで確認して欲しい、そしてワンシーンであるがブレイクする前のチャウ・シンチーも登場しているがまず初見ではわからないだろう。
ユンファのロングコートにマッチを口に加えサングラスをかけるスタイルはこの映画公開後に香港の間で流行したけど何せ香港では暑苦しい格好であるのは間違いなく真似した人は汗だくだったそうだ。
金字塔てやつ
チョウユンファってひとはパッと見、あきれるほどウソくさい。映画の序盤はホーとマークの絶頂期だが「オフコース」とか言っちゃうマークの軽さ。上機嫌がフラグとはいえ軽薄すぎる。
が、出所後堅気なタクシー運転手として頑張っているホーがぐうぜんマークを見つける。そこから邂逅にいたる地下駐車場のシーンを涙なくして見ることはできない。あんなに意気揚々だったマークが粗末な身なりをして補装具をつけびっこをひいている。肩にしたウエスで迎車のフロントガラスを拭くとシンが飯代だと言って無造作に札を放る。札をひろい駐車場の隅で得体のしれないべんとうを食べる。そこにあらわれたホー。茫然として口から食い物がこぼれる。ここで何しているんだと案ずるホーに「3年待ったんだぞ3年!」と声を張り上げる。マークはそんな姿になってまで、シンの下僕になってまで、ふたたびホーと挽回する野望を失っちゃいなかった。──のだった。
おそらく涙なくして見ることはできない──にご賛同いただける白眉だと思うが、その一方でジョンウーは娯楽映画について考えさせた。
個人的にマフィア・ギャング・ノワール系映画を好んで見たいと思うことはない。深作に傾向する──など、暴力的な映画に男っぽさを感じるのは、タバコを吸うことや、酒が飲めることがかっこいい──と同等の稚気だと思う。(ことがある。)
もちろん映画を誰がどう見ようと勝手だが、映画が魂を持っている──そう捉えることが日本映画のつくり手にはある。日本の観衆にも多少ある。(と思う。)
本作の面白さはジョンウーが多数の共感を集められる絵づくりをした──ってだけのこと。テクニックの話。たんじゅんに心躍らせた初見から、次第にそんなことも教えてくれた映画だと思っている。
男気溢れる
香港映画ならではのくさい芝居、東映任侠映画を彷彿とさせるストーリ展開ではあるが、男たちの気持ちの強さが伝わる。こりゃ失礼、レスリー・チャンの彼女もしっかりして強かった。バディ物に敵対する弟を絡め設定は悪くない。バディの洒落た感じを見てて、なぜかフランス作品「ボルサリーノ」を思い出した。
それだけで終わらないから記憶に残るのだろう。スローモーションを多用するアクションシーンは、特に室内の戦いの臨場感を増幅する。やや臭い感じもするけど、スタイルは確実に「マトリックス」に引き継がれている。
ラストのストップモーションが、この映画の象徴かな。
とにかく面白い
これは懐かしい。プライムで見かけたので久しぶりに観てみました。
今観るとファッションや音楽などの他、全体的なノリに時代を感じます。
しかしながら香港ノワールを巻き起こした作品、香港映画界でとてつもなく大きな意味があった事でしょう。
香港のみならずタランティーノは「挽歌」好きを公言してるし、ウォシャウスキーの「マトリックス」も影響が見えますね。
広江礼威のコミック「BLACK LAGOON」の張さんも、間違いなくモデルにしているでしょう。何だかんだ世界で愛されている作品です。
そしてそういった細かい部分は置いといて、とにかく面白い。
ひたすら男臭いがやはり香港映画のコミカルな部分は残っていて、だからか暴力描写が続いても見やすい感じに纏まっています。
今回久しぶりすぎて殆ど覚えておらず、再び新鮮な気持ちで楽しめました。
実に面白かったです。
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