ガリバルジ

解説

イタリア統一の殊勲者として史上に名高い愛国の英雄ガリバルジの伝記を映画がしたもので、アルド・デ・ベネデッティ氏が監督し、ガルバルヂにはグイド・グラジオシが扮し、その妻アニタには「ポンペイ最後の日(1926)」「メッサリナ」出演のリナ・デ・リゲロ夫人が扮している。脚色者撮影者等は不明。(無声)

1927年製作/イタリア
原題:Anita Garibaldi

ストーリー

1837年の夏、ガリバルジは祖国イタリア統一の義挙に敗れて南米ブラジルに亡命していた。当時ブラジル王国にはリオ・グランデ共和国建設の革命戦争が起こっていたので熱血の志士ガリバルジの虐政に苦しむ人々の為に此の革命に加担し一小漁船を操ってブラジルの海上を横行し、遂に一隻の大船を拿捕してリオ・バルド号と命名して自らの乗船とした。ブラジル方ではいかにしてガリバルジを捕らえようと機会を狙っていたが単騎ガリバルジがリオ・バルド号へ帰る道を扼して奸計を以て捕まえた。幾日か食も与えられずに知事の許へ護送される途上彼は美しい乙女アニタと相知った。知事邸に於いてガリバルジは拷問を受けたが口を閉ざして何事も語らなかった。そして暴風雨に乗じて逃走し、不思議な力によって結ばれたアニタと共にリオ・バルド号に帰船したが、ブラジル海軍はリオ・バルド号を包囲した。奮戦数刻に及んでガリバルジは船を焼いて上陸し南米の広野を漂泊した。そしてモンテ・ヴィデオとアルゼンチンとの戦争にも弱小モンテ・ヴィデオを援けて戦い赤シャツ隊の誉れを高めた。一方彼の祖国イタリアではいよいよ統一の機運動がガリバルジの帰来を望んでやまないので、1848年4月15日ガリバルジは同志八十五名を引率して帰国した。彼はシシリイ島に奮戦して遂に同島を征服し、イタリア統一運動の主君サルヂニア王ヴィットリオ・エマヌエロ二世に捧げ、ここにイタリア統一事業は完成したのである。

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