流し目千両

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解説

「情熱の海人」の監督者モーリス・エルヴィ氏が製作した喜劇で、ポール・アルモン、ニコラ・ナンシー両氏合作のフランス喜劇Le Aebreをジョゼ・レヴィー氏が翻案した脚本を映画化したものである。主役はエルヴィ氏に見出された新進のエステル・ブロディー嬢と同じくエルヴィ氏が寄席の舞台から招来したハル・シャーマン氏が勤めている。ちなみにブロディー嬢はエルヴィ氏の前作「アルマンティエールから来た娘」「ヒンドル・ウェークス」(共に未輸入)にも主役を演じた。共演者は人気俳優ジョン・スチュアート氏、ハンバーストン・ライト氏、「月給六万円」のメーベル・プールトン嬢及びジャンヌ・ド・カザリス嬢である。無声。

1927年製作/イギリス
原題:The Glad Eye

ストーリー

ある日のこと気まぐれな一匹の蝿がパリっ子で美しい衣裳モデルのキキの眼の中に飛込んだ。びっくりしたキキがまたたきしたのを秋波を送られたと自惚れたのがモーリスという既婚者であるという欠点を除けば年は若し男振りは良し、まず典型的な青年紳士だった。若い美しい女には誰もが親切であるようにモーリスは自ら進んで悪戯者の蝿を取ってやった。そして機会を捕えるのに敏なる彼は、序でにキキを夕食に誘ったのである。キキは早速承諾した。何故なら彼女にはショーゼットという恋人があったからである。そしてショーゼットは唯の一人で料理店を開業していたのである。キキは恋人の食堂へ美男子のお友達と一緒に御飯を食べに行くだけの可愛い冒険家であった。しかもそこでキキはモーリスと卓子の下に潜り込まねばならぬ破目に陥った。というのはモーリスの舅が二人の娘を連れてこの食堂へ入って来たからである。娘の一人スザンヌはモーリスの妻であり、もう一人のリュシエンヌは彼の親友ガストンの妻であったのである。舅のガリポーは自分には催眠術が出来ると考えている変な爺で、ショーゼットに催眠術をかけてやると言い出したので、モーリスとキキは長いこと窮屈な思いをしなければならなかった。しかし見付からずに済んだモーリスは早速ガストンに始終を物語ったので、細君のお相手ばかりでは凌げないガストンとモーリスは飛行船旅行に出掛けると嘘を吐いて、パリのナイトクラブで浮気な遊びに耽った。ところが、二人が乗った筈の飛行船は天候の模様で出発しなかったことが判ったので、元来が善良な亭主であるモーリスとガストンとは善後策に困じ果てた。ところへ乗出したのがキキとショーゼットで、奇智を以て両人の急場を救った。その報酬としてキキは数千フランを頂戴してめでたくショーゼットと結婚し、夫婦で色目屋という料理店を開いた。

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