恋の牧歌

解説

オイゲン・ダルベアの歌劇『チイフラント』を映画化したものである。かの鈴木伝明の『塵境』の原作と同じものである。「カリガリ博士」や「岡寺の観音」で知られているリル・ダゴファーが、無智な好色の女マルタ役で出演している。無声。

1922年製作／ドイツ
原題：Low Lands Tiefland

ストーリー

家運傾きつつある豪農のセバスティアノは、金銭結婚を思い立ったが、己の水車小屋に働いている情婦マルタを思い切る事が出来なかった。そのために縁談がフイになりそうになったので、窮余の一第としてマルタを羊飼のペドロに無理強いに婚せて、しかも関係を続けていた。マルタは男の邪欲を憎み素朴なペドロを愛しはじめる。かくて眼醒めたマルタはセバスティアノの約婚者マリアに全てを告げる。マリアは男無情と観じて毒を仰いで死ぬ。策破れたセバスティアノはマルタに迫ったが、ペドロの鉄腕に扼殺され、マルタはペドロと共に低地を棄て、山の牧場に幸福を求めた。