月光の曲(1920)

解説

日本の婦人の思想としては少々理解し得ないかも知れないが、処女性に対する欧州婦人の考えが基となって、此の深刻極まりない一篇の悲劇は構成されて居るのである。無声。

1920年製作/イタリア
原題または英題:A Debt of Hatred

ストーリー

許婚者と結婚すべく海上生活を棄てて帰省した海軍士官レイモンド・プロエルネは、友人と晩餐を共にした折、同席のジラニ侯爵が雑談中に許婚のリディー又は従妹のテレサかの何れかと恋仲である事を語ったので、其の何れかを詰まったが侯爵が明かさなかったのが基で遂に決闘を行い、侯爵を射殺してしまった。しかし自分の許婚者が侯爵の恋人であったか、従妹が其れであったか、深い煩悶に陥ったレイモンドは彼等の密会場であった或る海岸の洞窟に至って女の来るを見れば従妹のテレサであった。斯くして彼はリディーと結婚して新生涯に入ったが実は侯爵の恋人であったのはリディーなので、テレサは許婚者同志の幸福を全うする為に進んで犠牲となり修道院に入ったのであった。表面上幸福なるプロエルネ夫人にはやがて悲劇が来た。リディーとしては処女を捧げたジラニ侯爵が今の夫のレイモンドより遥かに懐かしき人で、其れを殺した夫は不倶戴天の仇であると、復讐の折を見計らって居た。しかし彼女はジラニ侯爵は妻ありし放蕩児であった事を知らなかったので、時来って彼女が夫に対する深刻な復讐を企画し、愛の仮面を剥ぎ棄てて勝利の快感に浸ったのも束の間、彼女は自己の不明なりしを覚って死して神に許しを乞わなければならなかった。

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