村の祭

解説

イギリス文豪スタンレー・ホートン氏の代表的作品を映画化したもの。無声。

1918年製作/イギリス
原題:Hindle Wakes

ストーリー

イギリスランカシャー州の片田舎ヒンドルに、人々が各々休暇を楽しむ習慣となって居るいわゆるウェークス週間が廻って来た。此の村の或織物工場の一工女のファニーは、仲間のメエリーと二人で村人の集り来って数日を遊び暮らすブラックプールの海岸へ来て居る中に、ふと一時の浮れ気から、己が工場主の息子アランと復らぬ契りを結んでしまう。ファニーの両親は此を知って、世間の手前と且は欲と道連れでアランの父に、二人の結婚を強い、アランも義理堅い父からファニーと結婚せぬ時は財産を譲らぬとまで強いられて、許婚の女をあきらめてしまい、いよいよファニーと結婚する事となった。皆が憤たり、迷ったり、喜んだりして居るのを皮肉な眼を持って見て居たファニーは、見すぼらしい肩かけに顎を埋めてこう云った……私の夫は親の命令で愛する許婚を見棄てたり、財産と女一人とを天秤にかけたりする様な男ではなく、真の男でなければ駄目。若い身空の面白さに、男が女に惚れると同じに、女が好きな男と二人で、楽しい目の一つも見たとて何の不思議はない筈……と。機織る音に心浮かして、それからも彼女はいつまでも、自分一人を稼ぎ過ごして、相変わらず、女は斯くぞと愉快げに暮らして行った。

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