ロンドン
解説
ドロシー・ギッシュ嬢が「ネル・ギン」に続いてブリティッシュ・ナショナル社に於いて主演した映画で、原作はライムハウス物語の第一人者トーマス・バーク氏が特に映画の為に執筆したもの。監督は「ネル・ギン」「デカメロン夜話」と同じくハーバート・ウィルコックス氏。ギッシュ嬢の対手役は「イスラエルの月」出演のアデルキ・ミラー氏とジョン・マナースが演じ、エリッサ・ランディ嬢、ギブ・マクローリン氏、マーガレット・ラード嬢等が共演している。無声。
1926年製作/イギリス
原題または英題:London
ストーリー
メヴィス・ホーガンは物心ついて以来ライムハウスの薄汚いとある荒ら家に、伯母さんと呼んでいるエリザ・グリッテンのいかつい拳骨に嚇かされて暮して来た。彼女は丁度雀のように自分の食物は自分で拾って来なければならなかった。メヴィスは酒場の酔客たちから小銭を貰って生活せねばならなかった。春が来れば花が咲くように彼女は今や処女美に香ばしく輝いて来た。ライムハウスの闇黒の王様アー・クワンは早くも彼女に眼をつけ、伯母さんから彼女を買取ることにきめた。冒険好きの若い金持ちの画家ジョフレー・マルヴァンはライムハウスの酒場に踊るメヴィスを見て、死別した許嫁に似ているのに驚いた。アー・クワンは伯母さんに金を払って玉を取りに行くとメヴィスは素早く逃げていった後だった。彼女はあても無くロンドンの街を歩き廻り、遂に餓えて失神した。ポール・マーランは偶然メヴィスを救い料理店で食を与えた。ポールの伯母アーバーフィールド夫人はメヴィスが死んだ娘に生写しなのでの彼女を引取ることになった。かくてライムハウスの貧乏娘は忽ちメイフェアの御嬢様になった。彼女は画家ジョフレーとも親しくしたが、自分ではポールと愛し合っているように思っていた。しかし、ボート会の時に彼女はポールが本当の愛を知らぬ浮気者であることを知った。自分の本性を見破られたポールは自棄気味で、所詮上流社会の醜悪さをさらけ出して見せた。幻滅を感じたメヴィスは夜半に逃げ出した。彼女を本当に愛しているジョフレーはライムハウスの酒場に再び彼女を見出した。メヴィスはかくてジョフレーの愛によって幸福な生活に入った。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ハーバート・ウィルコックス
- 原作
- トーマス・バーク
- 撮影
- ロイ・オーベルバウ