農奴の翼

解説

十六世紀の暴帝イヴァンの治世に取材した史劇的な映画で原作はモロドウツェフ氏が執筆し、シリクレェ氏が脚色し、ブラジミスキー氏が監督したもの。モスクワ芸術座の主脳俳優L・M・レオニドフ氏が主演するほか、アルカノフ氏、クリユークヴィン氏、サフィア・アスカロヴァ嬢、プロゾウスキ氏等が出演する。無声。

ソ連
原題:The Wing of Slavery or Ivan the Terror

ストーリー

暴帝イヴァンが全露に君臨して居た時豪族、貴族及び王家の権力争いは至る所に絶え間もなく、その間で最も憐れな者は奴隷であった。貴族中での利け者クルリャーチェフ公は大切な外国渡来の時辰儀が破損したので、発明の天才として聞えた奴隷ニキィシュカに修繕を依頼した。ところが、彼の主人の豪族ルパートフは公の依頼を拒絶したので公は怒って兵を送ってルパートフの領地を襲い、遂にニキィシュカは捕われの身となった。ニキィシュカは兼ねてから空を飛ぶ雲の発明に心を砕いていたが人々は彼を嘲り悪魔の業と罵っていた。帝はルパートフの訴を願聞いて腹心の荒武者を派しクルリャーチェフ公の邸を襲わしめ、公を縛り上げあらゆる残虐を恣にした。帝はクルリャーチェフ公の席を豪族ルパートフの次に下げた。公はこれを非常なる恥辱であると拒んだので終に窖に落されて殺された。ある時ニキィシュカは妃の紡車の破損をなおした褒美として空を飛ぶ事を許された。そして復活祭の日に帝の前で飛ぶ事になった。妃は彼の練習を見て感心し、彼に自分の指輪を与えた。復活祭の当日ニキィシュカはモスクワの市民の面前で見事に飛んで喝采を博したが、帝は神の思召に背くと云ってニキィシュカを投獄した。妃は彼を救け出し恋を告げた。しかしニキィシュカはこれを拒んだので、妃は自分をあやしんで後をつけて来たドゥルツスコイ公を欺いてニキィシュカと決闘させた。すると公は奴隷を倒したので妃は公をさして奴隷を窖に落した。帝はニキィシュカの指に妃の指輪があるのを見て妃を絞殺し、ニキィシュカの苦心の翼を焼き棄てさせた。

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