建国の美姫

解説

不撓不屈な大英雄の魂謄とその執拗な恋、そして無権能な弱者の歎き、ナポレオンが戦の裏面に於ける一挿話劇である。ナポレオンに扮したルドルフ・レッチンゲン氏は先日「ホワイト・チャペル」にも出た人。無声。

1920年製作/ドイツ
原題:Countess Walewska

ストーリー

ナポレオンが破竹の勢でポーランドを征し更にワルシャワに向かった当時、ポーランド国人は等しくロシアの圧政から逃れんとしていた。ワレウスカ伯夫人マリアは女の身を以って国民の切望を代表してナポレオンに歎願した。夫人の美は早くも翁の執拗なる恋を招きその歎願の受け入らる前に夫人は国家の犠牲となって翁の恋を容れた。地獄の苛責にも似たる苦しい日は展かれる。夫人の最初の恋人のロシアのある貴族は彼女を苦境の域から自由の国世界の外に連れ行かんとしたが直に追手に捕われ男は銃殺されんとした。……が夫人の涙をこめての哀願に流石の皇帝もその意を曲げて刑を中止したのである。

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