ストロンボリ

劇場公開日:

解説

「ヨーロッパ一九五一年」と同じくロベルト・ロッセリーニが、製作・監督に当り、イングリッド・バーグマンが主演した一九四九年作品で、ストロンボリ島にオール・ロケした。ロッセリーニ自身が書いたストーリイを、アート・コーン、レンツォ・チェザーナ、セルジオ・アミディ、G・P・カレガリの四人が脚色し、撮影は「にがい米」のオテロ・マルテリ、作曲は「ヨーロッパ一九五一年」のレンツォ・ロッセリーニの担当。バーグマンをめぐる共演者は、マリオ・ヴィターレ、脚色者の一人レンツォ・チェザーナ、マリオ・スポンゾら。

1949年製作/107分/イタリア
原題:Stromboli
配給:映配
劇場公開日:1953年10月31日

ストーリー

第二次大戦が終って、ローマの難民収容所には戦火で家を失った人々が、すさんだ心を抱いて幾百人となく収容されていた。そのなかにいつもふさぎこんでいた一人の女カリン・ビオルセン(I・バーグマン)は、捕虜のキャンプにいるアントニオ(M・ヴィターレ)というシシリー島出身の漁夫だけを話し相手にしていた。アントニオは、いつか激しくカリンを恋したが、カリンの望みは収谷所を出て自由の国アルゼンティンへ行くことだけであった。しかし彼女のアルゼンティン行の旅券は下附されず、夢破れたカリンはアントニオとの結婚に同意した。つつましい結婚式を挙げた二人は、エルオ群島の北端ストロンボリに住みつくことになった。そこは島の中央に巨大な火山のある荒れた漁村で、島人たちは他国ものに全く冷めたかった。カリンにとって日々の生活は収容所より辛いものに思われ、島を出たいとアントニオにせがんたが、彼は自分にとって故郷であるこの島を立去る気持はまるでなかった。カリンは島でただ一人親しくしている牧師(R・チェザーナ)の助けをかりて島を脱出しようとしたが、牧師は彼女の誘いにのらなかった。自棄になって行ったカリンは、美男の燈台守(M・スポンゾ)と知り合い、彼との火遊びを楽しんだが、これを知ったアントニオは激怒した。一年中で島が一番活気をみせるまぐろの漁期に入ったころ、カリンはアントニオの子を宿した。アントニオは驚喜した。そのとき島の火山が大爆発をおこした。島人たちは舟で海上に難を避け、カリンは再びアントニオに島を去ることを迫ったが、彼は爆発のおさまった島にもどるとカリンを家にとじこめまた海へ出て行った。カリンは燈台守にたのんで二人で島をぬけ出すことにした。山向うの港へ向う途中、火山のガスと噴煙に身重な体をいためつけられたカリンは、遂に昏倒した。一夜あけて、噴火はおさまり、輝く陽光にカリンは目覚めた。彼女は生れる子供のためにも夫の許へ帰るべきだと悟り、すべての迷いから目覚めた思いだった。彼女はアントニオの住む麓へと山を降りて行った。

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