「流麗」輪舞(1950) jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)
流麗
1900年のウィーン
狂言回しのアントン・ウォルブルックがただ一人実務的で面白い
夫婦の寝室での会話と
振り子時計やベッド頭部からの映像も
舞台女優の天蓋ベッドの天井部から見下ろした
(天井部の鏡に映った?)
彼女と伯爵のラブシーンは美しいです
カメラはクリスチャン・マトラ
鏡、燭台、階段、ひだの多いカーテン等多用されている
階段は登場人物の(愛の)回転の動きに上下移動も加えている
女中の回り階段を上がった4階の勤め先の
室内の小階段の多さは不思議(笑)
駆け引きや感情の起伏を表しているのだろうか
詩人の家では娘の憧れを表現しているみたいだし
娼婦は長い階段を下りた自殺の名所で兵隊と関係する
(恋愛気分も味わいたいのに 愛は希薄)
愛情のバロメーターなのか?
女優を美しく撮影することは勿論忘れていないが
娼婦(シニョレ)には哀感が感じられる
役柄と美貌でダニエル・ダリューは別格扱いみたいだった
硬質の美女なのだが
この中年期は何か柔らか味が出たように思え、魅力的
熟成したワインみたいで「恋に酔う」感じも伝わる
衣装も豪華、ベールが2枚の不思議な帽子も
彼女がかぶるとおかしくない
大スター達の競演ですが
あっさりと上手くさばいており、さすがでした
今とは全く違う世界
でも、情緒やその雰囲気が味わえました
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