濡れた唇(1968)

解説

女流ライターのイヴォンヌ・アンデルソンのオリジナル・シナリオをクラエス・フェルボムが監督した。撮影は「沈黙の歓び」のアーケ・ダルクビスト、音楽はギイ・オルストロムと監督のクラエス・フェルボムが担当した。出演はモニカ・ノルドクイスト、ベルイマン映画に顔をみせていたビルイェル・マルムステーン、エリック・ヘル、オルガルド・ウエルトンなど。製作はベルト・サンドベルイ。

1968年製作/スウェーデン
原題または英題:Carmila

ストーリー

カルミラ(M・ノルドクイスト)は、市役所につとめる養父グンナールと生みの母との三人暮らしだったが、グンナールが娘に対する以上の愛を向けてくるので、家を出て、いかがわしいクラブを経営する女ベラの家にころがりこんだ。そこでカルミラは、ベラの言いなりに金持のプレーボーイ相手の毎日を送った。ある日、母が自殺したという連絡をうけ、カルミラは家に帰った。グンナールはカルミラとの再会を喜び、二人きりの生活をしようと言ったがカルミラはまたベラの家にもどった。が、その後すぐカルミラの気持はかわり、ベラの反対をおしきってグンナールとの関係をもった。二人は遊びがてら二週間の旅行に出かけたが、ある夜グンナールは車にはねられて即死した。カルミラはその現場を目撃していたが、警察には話さず、自分で犯人をさがす決心をした。町に出たカルミラは、犯人の車をみつけ尾行した。犯人は医者のペル(B・マルムステン)と妻のマリアだった。事故を起したのはマリアで、彼女は良心の苛責にたえかねて、ノイローゼになっていた。ペルの事務所を訪ね、カルミラは自分が事故を目撃したことを告げた。ペルはカルミラの口を封ずるため、神経衰弱の重症患者という口実を作り、家にひきとった。ペルからカルミラの正体をきいたマリアははじめはカルミラを大切にあつかったが、やがて二人の間に肉体関係が生じたのを知り、嫉妬をおぼえた。カルミラの病気を理由に別荘へ行くという二人にマリアもついていった。ボート小屋の中で、ペルとカルミラは愛欲の炎をもやしていた。その頃、マリアはひそかに小屋に近づき、小屋のまわりにガソリンをまき、火をつけた。小屋の中で火につつまれながら助けを求めるカルミラとペルを、マリアは満足そうに見つづけていた。

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