欲望の沼

劇場公開日:

解説

脚本・監督はギリシャ映画界の新鋭コスタス・マヌサキスで、六六年カンヌ映画祭にギリシャ代表で出品された農村青年の暴行殺人を描いた異色篇。撮影は「レモンの涙」のニコス・ガルデリス、音楽はイヤニス・マルコポウロスが担当した。出演はアネスティス・ブラホス、「誘惑」(1967)のエレーナ・ナサナエル、「夜霧のしのび逢い」のマリー・クロノプルーほか。

1966年製作/ギリシャ
原題:La Peur
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1967年10月3日

ストーリー

ギリシャの片田舎。地主カナリス家の空気は重苦しく荒んだものだった。というのは、当主カナリスは町の娼家に入りびたりで、いつも深夜泥酔して帰る毎日だったし、息子のアネスティス(A・ブラホス)は、白昼から、のぞきをするような変質者だった。カナリス家には、フリサという口の不自由の若い女中がいた。ある夜のこと彼女は、全裸姿をアネスティスに見られてしまい、それがショックで失跡。カナリスの後妻と、その連れ子アンナ(E・ナサナエル)は村人の助けをかりて、教会に隠れていたフリサを探しだした。しかし、口の不自由の彼女は、誰れにも失跡の原因を話すことができない。数日後、アネスティスは納屋の中でフリサに暴行した。そして、世間の人に口外しないよう、手マネで頼みこんだが、フリサは強くかぶりを振るのだった。恐怖と怒りにかられたアネスティスは、その場で彼女を撲殺。ちょうどそこへ、継母が入ってきてしまった。他人に知られればリンチを受けることは明らかだった。カナリス家の者は、“フリサは再び失踪した”と村人にいいふらし、彼女の死体を附近の沼の底深く沈めた。しかしその日から、アネスティスは罪の意識に苦しめられ、発覚の恐怖におびえ続けるのだった。家族の中で、ただひとり事件を知らないアンナは、一刻も早く、そんな家を出たかった。そして義父の反対をおしきって恋人の若い技師と結婚した。結婚式の日。酒を飲み、踊り狂うアネスティスは、いまにも大声をあげて、自分の罪を、しゃべり始めそうに見えた。ちょうど、その頃だった、沼の底深く沈んでいたフリサの死体が浮き上がってきたのは……。

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