タヒチの誘惑

劇場公開日:

解説

エンニオ・デ・コンチーニ、フランコ・ロッシ、ゴルフィエロ・コロンナが協力してシナリオを執筆、フランコ・ロッシが監督したロマンチック・ルポルタージュ。撮影はアレッサンドロ・デエヴァ、音楽はアンジェロ・フランチェスコ・ラヴァニーノが担当した。出演は「ローマで夜だった」のエンリコ・マリア・サレルノをはじめ、パトリツィア・ドロレス・ドンロン、エリザベス・ローグなど。製作はゴルフィエロ・コロンナ、ルチアーノ・エルコリ、ピオ・アルベルト・プグリーゼが共同で当った。イーストマンカラー、トータルスコーブ。

1965年製作/イタリア・フランス合作
原題または英題:Nude Odyssey
配給:コロムビア
劇場公開日:1966年7月5日

ストーリー

都会の生活に疲れ果て、望みを失った男エンリコ(E・M・サレルノ)は、心のやすらぎを求めて、ポリネシア群島にやってきた。そこで、エンリコは、ポリネシアで消息を断った夫を探す、アメリカ人マーガレット(P・D・ドンロン)に会い、一緒にポリネシアの島々をめぐった。やがて二人は、町を離れた木立ちの中にヨーロッパ風の別荘を見つけた。そこには、この土地の娘で、陽気なテパーレと、美しい顔のどこかに、いちまつの影をやどす娘チュレーレがいた。二人は、小さな動物たちと暮し、自然が与える素朴な楽しさも享受していた。エンリコは彼女たちと無邪気な楽しい毎日を送った。が、ある日、エンリコのもとに、母の死を知らせる電報が舞いこんだ。町に戻ったエンリコは、心の痛手をいやしてくれる相手を求めて、街をさまよったが、物質的な考え力にこりかたまった、アメリカ娘では、彼の心の安息はえられなかった。エンリコは再び、自由の天地をめざして、小さな漁船に乗り、南海の小島におりたった。この島には、自分を捨てた男をつまでも待ちつづけている娘、貧しさにマヒし、満足している若い漁師--がいて、エンリコは自分の生活とあまりにかけはなれた現実にとまどった。そしてこの小島で、エンリコは、同じ悩みを持つ牧師に会った。牧師もエンリコも文明の世界から疎外されながらも、文明の甘い誘惑を、絶ち切ることができなかったのだ。だが牧師は、この悩みを祈りの中に純化させていた。エンリコは、悩みぬいたすえ、ついに、この小島にいつき、この島の子どもたちを、老人を、女たちを、この島のすべてを愛することによって、失われつつある、彼の人間性を回復しようと決意した。そう決意したエンリコに、南の海は、あくまでも青く、明るく眼にしみるのだった。

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