暁の出撃(1955)

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解説

ハロルド・ブリックヒルの小説とギブスン大佐の報告書に基いてマイケル・アンダーソンが一九五五年に監督した航空戦記映画。脚本は「邪魔者は殺せ」のR・C・シェリフである。「ジャングルの決闘」のアーウィン・ヒリヤーが撮影を担当、「ワルツ・タイム」のレイトン・ルーカスが作曲し、「ジャングルの決闘」のルイス・レヴィが音楽監督に当った。出演者は「豪族の砦」のリチャード・トッド、「卑怯者」のマイケル・レッドグレーヴ以下、「老兵は死なず」のアースラ・ジーンズ、「脱走兵」のデレク・ファー、「渓谷の騎士」のベイジル・シドニー、チャールズ・カーソン、パトリック・バール、コリン・タプリーなど。

1955年製作/124分/イギリス
原題:The Dam Busters
配給:BCFC=コロムビア

ストーリー

第二次大戦中、ドイツ軍の空襲に悩まされていたイギリスのヴィッカース兵器会社技師バーンズ・ウォリス博士(マイケル・レッドグレーヴ)は、新たにドイツ国内のダムを爆撃によって破撃し、停電と洪水によって敵戦力の根源地ルールエ業地帯の活動を一挙に停止させてしまおうと考えた。しかしそのためには三十トンの爆弾を必要とし、その重量に耐える爆撃機は目下造られていない。そこで五トン爆弾をダムに密着させ、爆発させることを考えたが、実験の後、彼は六十フィートの低空から爆弾を水面に跳躍させて、そのバウンドを利用してダムの壁を破壊するという方法を考えた。投下地点は目標から六百ヤード、高度計も爆撃照準もきかない。ほとんど不可能な事態だった。ところがこの計画に参加していた爆撃隊長ギブスン大佐(リチャード・トッド)は、ミュージカル・ショウのスポットからヒントを得、機首と腹部に二つのライトをつけ、所定の距離の地点で二つのライトがあうようにすれば、低空で爆撃照準を行うことができると考えついた。かくして準備ととのった特別爆撃隊は、十九機編成でギブスン大佐指揮下に目標のダムめがけて突入した。一機一発、非常に困難な、危機な攻撃である。そして、冷静さと大胆さを必要とする仕事だった。しかし、ギブスン大佐の優れた腕前は、ダムの壁を完全に破壊した。ドイツの軍需エ業の機能を停止させたほど、その戦果は大きかったけれど、犠牲もまた小さくはなかった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第28回 アカデミー賞(1956年)

ノミネート

特殊効果賞  
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映画レビュー

4.5こんなにドキドキする戦争映画も珍しい

あき240さん
2019年6月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

こんなにドキドキする戦争映画も珍しい
633爆撃隊という戦争映画の佳作がありますが、こちらは617爆撃隊が舞台です
こちらも史実を元にお話が作られています
あちらは軽爆撃機でしたが、本作は重爆撃機、それも数トンもある巨大爆弾を敵地奥深く超低空で侵入し投下するお話です

原題のダムバスターの方が内容を的確に表しています

邦題の暁の出撃では一体どんな内容の映画なのか分かりません、第一劇中の出撃は真夜中で帰還が払暁ですから内容とも不一致です
無理にでも栄光への出撃という意味合いだと自分を納得させないとなりません

主人公は二人
ドイツのダム攻撃を発想しその為の特殊爆弾を開発する博士が前半を、その作戦を実行する爆撃隊隊長が後半を主に活躍します

しかし、本当の主人公はアブロランカスターという爆撃機だったかも知れません
4発のエンジン、特徴ある双尾翼
英国空軍の主力爆撃機です
本物の本機が、それもこの爆撃隊だけの特殊仕様に再現されて縦横無尽に活躍します

戦争映画の花形は戦闘機と思われがちですが、本作はそれを上回るほどの爆撃機の魅力を一番表現している映画であると思います

そして博士と隊長の関係性は、大きな組織に於ける企画部門と実行部門の関係性として戦争映画を超えて普遍的な物語ともなっています

企画者の孤独
画期的な成果を目指す企画ほど突飛な案に見られて誰も相手にしてくれません
その企画の売り込みの苦労から物語は始まります

そしてプロジェクトが立ち上がり、メンバーの人選、訓練の段階、待機の鬱屈が描かれます
そして実行部隊の現場を知るが故の創意工夫も描かれます

そして企画側と実行側が力を合わせて、問題点を突破するブレイクスルーも描かれるのです

企画側の博士は出撃を見送ると、最早することはないのです
自分の考えた通り物事が、本当にその通り行くのか
多数の爆撃機隊の命、英国軍の貴重なリソースを投入してここまで準備したことが本当に間違っていないのか
あとはただ結果が出るのを待つしかないのです
基地の作戦室で現場からの作戦の進行状況を伝える暗号名が来ることを祈るように待つのです

仕事の中でこのような経験をされた方も結構あるのではないでしょうか?

そして覚悟していたとおりではあっても、いざ本番になりすりつぶされて損耗する、その現実を知るといくら成果が挙がっても企画のした人間は自分がもっと良い企画を出せていたならとか、そもそもこんなに企画を出すのではなかったとの思いにも囚われるものです

そんなことが胸中に渦巻きます
そういったことを丁寧に描いていることが、単なるド派手な爆発シーンだけが多い戦争映画にはないドキドキ感を高めていると思います

戦闘シーンの演出も素晴らしく、曳航弾がこちらに向かって雨あられと飛んでくる像は本作位しき知りません、迫真の映像です

重低音で腹に響くような爆撃機のエンジン音、同様に重量感をもって挙動する機体
編隊が空中に軌線を描きながら滑走路に進入してくる様は、ナウシカのコルベット機の元ネタと思われます

カメラも素晴らしく陰影の濃い深みのある映像で、構図も腰高程の低いカメラ位置から捉えたものが多用されておりカッコいいシーンが多いです

そしてなんといっても、出撃シーンのかっこよさといったらありゃしません!
四発のエンジンを順に始動し、離陸前手順を読み上げていき、信号弾一発で離陸開始する、その時鳴り響く景気良い音楽
最高の出撃シーンです!

敵地への超低空侵攻のシーンも見応えたっぷり

戦争映画ファンには絶対にオススメします
軍用機マニアはマストです
633爆撃隊の倍は面白いです

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あき240
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