レモンの涙
劇場公開日:1967年9月9日
解説
アレコス・サケラリオスの脚本をもとに、チェコの映画界出身でギリシャ映画は第一作のジョルジュ・スカレナキスが監督したミュージカル。撮影は「夜霧のしのび逢い」のニコス・ガルデリス、音楽は同じ作品のスタヴロス・サルカコスが担当。この作品の中で歌われるミュージカルナンバーは○レモンの涙○ピレウスの街角○君を求めて○鐘は濡れて○私によろこびを○あなたに逢うために○クレタ島へ行こう○いつも一緒にいて○レモンの花咲くころ。出演は今や人気絶頂のアリキ・ブユークラキ、「夜霧のしのび逢い」のディミトリス・パパミカエル、リカ・ディアリナほか。
1966年製作/ギリシャ
原題または英題:Dancing the Sirtaki
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1967年9月9日
ストーリー
若くて仕事熱心なペンキ屋グリゴリス(ディミトリス・パパミカエル)と可愛いマリーナ(アリキ・ブユークラキ)は新婚ホヤホヤであった。グリゴリスは歌がうまく、いつもペンキを塗りながらすばらしいノドを披露した。ある日ビルの屋上で仕事中、例によって歌っていると、その歌声がある楽団の連中の耳にとどいた。楽団のメンバーはたちまち聞きほれてしまい、ちょうど楽団に欠員が出来ていたから、グリゴリスを楽団の専属シンガーとして契約することになった。楽団といっても街のクラブで演奏したり、歌ったりするだけのさして有名な連中ではなかったがともかくグリゴリスはそこで人気者のシンガーとなった。マリーナは初め夫が歌手になるのに反対したが収入が倍増するとあって、認めないわけにはいかなかった。だが歌がうまくてハンサムなグリゴリスがいろいろな場所へ出かけるようになり、美しい女性にあったり、盛んにもてはじめると、ちょっぴりやきもちやきのマリーナはだんだん心配になってきた。ある夜、楽団は金持のグラマー美人リタ(リカ・ディアリナ)のパーティに招待された。だがグリゴリスはマリーナに内緒で出かけて行った。それを知ったマリーナは、夫を追ってリタの家の前に来たものの、いらいらするばかり。あくる日の夜もクラブでグリゴリスを監視していたが、頭にきていたマリーナはブランデーを飲み過ぎてしまい、あげくのはてテーブルの上にのって“シルタキ”を踊り始めたのだ。これが大うけで、すぐさまクラブのフロア・ダンサーとして契約されることになった。たちまちにしてグリゴリスの人気はマリーナの人気にとってかわられ、今度はグリゴリスが頭にくる番だ。そして男にもてすぎるマリーナが気にくわずとうとう彼は家を飛び出した。数日して彼女は昔のペンキ屋にかえっている夫を発見、おなかに赤ちゃんがいることを知らせた。それまで怒って口もきかなかったグリゴリスは、今までのことを忘れたように喜び、マリーナを抱きしめた。そして、二人は、またもとのペンキ屋夫婦にもどって幸福に暮すのだった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジョルジュ・スカレナキス
- 脚本
- アレコス・サケラリオス
- 撮影
- ニコス・ガルデリス
- 音楽
- スタヴロス・サルカコス