砂上物語

劇場公開日:

解説

フェデリコ・フェリーニの弟、リカルド・フェリーニの原案に基き彼自身とG・フランコ・フェラーリが脚本を執筆、リカルドが監督した抒情篇。撮影は「豊かなる成熟」のサンドロ・デヴァ、ジュゼッペ・アクアーリにマリオ・ヴルピアーニの三人が担当、音楽は「太陽はひとりぼっち」のジョヴァンニ・フスコ、セヴェリーノ・ガッツェラーニがフルート演奏している。出演者は全部素人で四歳のフランチェスカ・デ・セータやアンナ・オルソ、パトリツィア・ベルケルなど。製作はウーゴ・デ・ルシア。

1963年製作/イタリア
原題:Storie sulla Sabbia
配給:東京第一フィルム
劇場公開日:1964年6月6日

ストーリー

フランチェスカ ローマ近郊の漁村の白い海辺。幼い少女フランチェスカの遊び友達はいもむしやかもめ、かえる、さかなや貝がら、そして尼さんや猟師や漁夫。だが一番好きなのはオレンジ色の太陽。地平線の向うに姿を隠そうとする太陽。漁夫が太陽のおねんねの時間と説明したのを思い出しながら、いつまでも見ている。でも、どうして太陽は死なないのかしら? アンナ 今日はアンナ(アンナ・オルソ)とアンドレア(G・バンツアート)の結婚の祝宴。貧しい漁村のいちばん派手やかで誰もかもが足を運ぶ海辺の式場。食べてしゃべって歌ってしゃべって、また食べて--。祝宴が終ればみんな外へ出る。海辺を歩く。アンナがブランコに乗る。若者たちが花嫁のおしりを力いっぱい押す。若者の一人ロベルトも押す。花嫁は空中高く舞い上る。そして思い出す。以前ロベルトと二人だけでこのブランコで遊んだ--でも今日からはアンドレアの妻なのだわ--自動車の到着、出発だ。「チャオ!」「お幸せに……」花嫁もその母親もそっと涙を拭う。子供達は風船を手に自動車を追っかける。 ルシア 夜の海岸。カルロ(フィリップ・カミュ)とルシア(カトリーヌ・メルクーリオ)ら三組の恋人たちの乗る二台のスポーツ・カー。ルシアは学生カルロの子をやどしていたが彼は中絶をすすめているのだ。やがて彼らは小さな別荘に着く。遊びに夢中になっているとそこの村人が来て嫁のマリアが、赤ん坊を生みそうなので医学生のカルロに来てくれという。誕生。アルバ(夜明け)と名をつけた。夜が明け始めている。若者達が砂浜を歩いて行くと、女の水死体を警察官が運び去ろうとしている。それを見た若者たちは生きることの意味を見出そうとする。太陽が昇り始める。明るく、大きな。若者達は砂浜に並んで水平線の太陽をみつめる。ルシアはいま決心した。赤ちゃんを生みましょう。私とカルロの赤ちゃんを。

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