「ロビンソン狂いそう」ロビンソン漂流記 梨剥く侍さんの映画レビュー(感想・評価)
ロビンソン狂いそう
ダニエル・デフォーの原作はご幼少のみぎりに「少年少女世界名作全集」か何かで読んだきりなので、どのくらい忠実な映画化なのか判断できないのだが、ブニュエルにしたらあまりひねりのない作品ではないだろうか。オーソドックスな作風から始まって次第に個性を開花させていく監督は多いが、ブニュエルは最初から「アンダルシアの犬」ですからねぇ。メキシコ時代も数々の変てこりんな作品を撮っているので、それに比べると。
孤島ものはアメリカのひとコマ漫画の定番だし、映画でも「ひきしお」や「流されて…」「キャスト・アウェイ」などあるけど、28年と2か月と19日というのは格段に長い。難破船からいろいろ持ち出せたのは良かったし、島に食料にできる動植物が生息していたのも恵まれていたと言えよう(銃の弾は一体何発あったのだろう)。ただ、途中で人間が登場するや否や争いや殺戮が勃発して、つくづく気持ちが塞ぐ。何百年経っても、人類のやっていることはおよそ変わりがないのか。
ラストは〽ルララ母国への風に乗る〜
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