「老人のプライドと生き方」ウンベルト・D あまおとさんの映画レビュー(感想・評価)
老人のプライドと生き方
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この作品には『自転車泥棒』や『靴みがき』と同じくらい強いインパクトを受けた。
デリカシーのある音楽がとても心地よよい。しかし何より、主役の俳優に惹かれる。独特な雰囲気に最後まで吸い寄せられた。現役の学者だとは後で知った。彼のクセのある眼差しは、ウンベルト氏の自負心の象徴と思いたいところだが、学者としての鋭さや洞察力だったのかとも思えてくる。さりげなく漂う品性が役にふさわしいと思う。
ウンベルト氏の自負心が徐々に萎えていくのが悲しかった。彼は公務員として働いたことにプライドがあった。しかし、戦後のイタリアは余裕がなかったらしい。落ちぶれていく者を誰も助けない。ウンベルト自身もマリアに何もしてあげられない。
動物は本能的に「生きよう」とする。フライクも、生命の危機から瞬発力で脱出した。(このワンちゃがとてもいい♡) 人間も生きる欲求を持っている。しかし、だからといってゴミをあさることができるか?盗みをすることができるか?品性を捨ててまで。人間は厄介なものだ。
それにしても、氏はまだ体が動き、病気でもない。これまでの衣を脱ぎ捨て、何か違う生き方を探せないものだろうか…とも思う。
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