「アントニオーニのイタリア時代の作品はいつも暗い.不穏な気配が漂って...」夜(1961) しょうけらさんの映画レビュー(感想・評価)
アントニオーニのイタリア時代の作品はいつも暗い.不穏な気配が漂って...
アントニオーニのイタリア時代の作品はいつも暗い.不穏な気配が漂っている.死にゆく友人に会いに行ったり,暗闇の中でジャズの音色に合わせて踊るアフリカ系アメリカ人だったり,田舎で殴り合いをする青年たちや,大富豪の家でとるに足らない娯楽に興じる人々.うれしさや楽しさが欠けている映像の中でひたすら,冷めきった小説家夫婦とその周辺での男女関係が映し出される.これほど鬱屈として救いのないのが中年であるという事なのだろう.
コメントする