危険な関係(1959)のレビュー・感想・評価
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ロジェ・バディム 監督作を初体験。上流階級の入り乱れた男女関係の描写がフランス映画らしい
ロジェ・バディム 監督による1959年製作(105分)のフランス映画
ヌーベルヴァーグのミューズと呼ばれたらしいジャンヌ・モロー(1928-2017)だが、この映画の彼女は、自分にはあまり魅力的には思えなかった。貞操観念どころか、恋愛感情も
理解しない酷い役柄を演じたせいかもしれないが。
ただパリとスキーリゾート・メジェーヴを舞台に、上流階級の入り乱れた男女関係が描かれ、いかにもフランス映画とは思わされた。
主人公ジェラール・フィリップが妻(ジャンヌ・モロー)に焚き付けられて性的関係を結ぶ人妻アネット・バディム(監督の1958年 - 1960年の妻、娘1人)と生娘ジャンヌ・バレリーは、共にかなり魅力的だった。特に、主人公が死んでしまったのに、彼との新たな旅立ちを語り続けるアネットの狂ってしまった姿は、不貞ながら純愛の成れの果ての様で、心に刻まれた。
監督ロジェ・バディム の前妻はブリジット・バルドー で、アネット後の恋人がカトリーヌ・ドヌーブ(息子1人)、その次の妻がジェーン・フォンダ (娘1人)とか。そのモテぶりの片鱗が、妻の意思に反して純愛に目覚めてしまったプレイボーイ主人公の姿に反映していた様にも思えた。
原題:Les liaisons dangereuses、配給:セテラ・インターナショナル
劇場公開日:2022年12月9日、その他の公開日:1961年5月1日(日本初公開)、2018年3月24日。
監督ロジェ・バディム、原作コデルロス・ド・ラクロ、脚本ロジェ・バイヤン ロジェ・バディム クロード・ブリュレ、撮影マルセル・グリニョン、美術ロベール・ギガン、音楽
セロニアス・モンク 、バルネ・ウィラン 、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャース、 デューク・ジョーダン、 ジェームズ・キャンベル、 リー・モーガン バルネ・ウィラン。
出演
ジュリエットジャンヌ・モロー、バルモンジェラール・フィリップ、マリアンヌアネット・バディム、セシルジャンヌ・バレリー、ダンスニジャン=ルイ・トランティニャン。
猟人日記
高等遊民の桃色遊戯だが、ロジェ・ヴァディム監督自身が数多の浮名を流してきた人だけに、さもありなんという内容。登場人物がことごとく自業自得的に不幸になるラストは残念で、いっそ不道徳が栄えたまま終わった方がいさぎよかった(ラクロの原作を読んでいないので、原作どおりなら仕方ないが)。
チェス盤の上にクレジットタイトルが次々と浮かび上がり、セロニアス・モンクの曲がかぶさるオープニングが良い。途中流れる「パノニカ」もこの映画のけだるいムードに合っている。ジャズライヴのシーンもあるけど、昔のフランスのナイトクラブはあんなに風紀が乱れていたのだろうか。演奏者に失礼だ。
若い頃好きでよく読んでいたボリス・ヴィアンが出演していたのは、思わぬ拾いものだった。
上流階級の歪んだ愛の世界
アートブレーキーの音楽は聴いていたものの、映画そのものは今回初めて見ました。
色っぽい美男子ジェラール・フィリップと上流階級のマダムっぷりがぴったりのジャンヌ・モロー。
美しさに演技力も兼ね備える二人がガチンコで退廃した世界を描きます。
いゃ~、みせますね。
これぞラムールとジェラシーのおフランス映画。
ジャン=ルイ・トランティニャンの生真面目な学生姿も意外にあっているのよね。
ラストには二つの顔を見せるジャンヌ・モロー。悪女は死なない。
恵比寿ガーデンシネマは満席でした。
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