危険な関係(1959)のレビュー・感想・評価
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【”不道徳な夫婦の行為の齎した事。”他人を不幸にする危険な遊びのツケは、全て我が身に帰るのである。】
■パリの社交界で注目を集める理想の夫婦・ヴァルモン(ジェラール・フィリップ)とジュリエット(ジャンヌ・モロー)。
だが、2人は互いに愛人を作り、情事の内容を報告しあって楽しむという不道徳極まりない遊びをしていた。
ある日ジュリエットは愛人のコートが17歳のセシル(ジャンヌ・ヴァレリー)と婚約したことを知り、ヴァルモンにセシルを誘惑するよう持ちかける。
一方、ヴァルモンはセシルを追って訪れた冬のメジューヴで、人妻マリアンヌ(アネット・ヴィディム)に本気で恋をしてしまう。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・マア、酷い夫婦だと思うのだが、見ているとジャンヌ・モロー演じるジュリエットの悪女振りが際立つ。
・何しろ、自分の愛人が婚約した相手を、自分の夫に誘惑されるという発想が凄すぎる。マア、それを受けるヴァルモンも相当であるが・・。
だが、今作ではそのヴァルモンをジェラール・フィリップが演じているため、悪い男には見えなくなっている気がするのだなあ。
■今作は、”フランスで上映禁止&海外輸出禁止となった禁断の恋愛ドラマ”とsルのだが、今観ると、もっと不道徳な映画が沢山有るので、普通に見えてしまうのは、私が汚れてしまっているのかな・・。
<ラストに二人に起こる出来事も、因果応報に見えるよね。特に、人妻マリアンヌに対し、酷い別れの電報を打ったジュリエットに起きた事に対する”醜い心が顔に出た。”という言葉は強烈である。
それにしても、ジェラール・フィリップの遺作が今作と言うのは、少し哀しいなあ。>
古いけど好きなタイプの映画
成立しなかったオープンマリッジ
監督や俳優を引き付けて離さない題材。その味付け。
いろいろな方が映画化・ドラマ化しているそのうちの一本。
フランス版だけでも、同じ監督がジャンヌさん版以外に2本撮っているし、それ以外でもカトリーヌさん版もあるとか。ハリウッド版が有名らしいが、ドラマでヨン様版もあるらしい。それぞれの演出・演技を比較して楽しむこともオツかもしれない。
それだけ、監督や俳優からすると、演じてみたい、撮ってみたいと思わせる題材なんだろうと思います。
お互いの浮気を容認してゲームのように楽しんでいる夫婦という、普通の生活を送っている人間にとってはとんでもない話。そこに純愛が絡んできて様々な展開になっていく。そんな普通でない話にいかにリアリティを与え、観客を話に引き込んでいくか、演出と演技の妙が冴えわたるのだろう。とんでもないプレイボーイにいかに同調できるように演じるか、夫婦が未亡人との恋を賭けの材料にする、そんな設定やその顛末にリアリティを持たせるか、中途半端では絵空事で終わってしまう。
この映画に関しては、マリアンヌ役のアネットさんが美しい。それと対比するように妻役のジャンヌさんの毒々しさが際立つ。白雪姫と継母みたい。
ですが、演技と言う点で言えば、アネットさんはただ人形のように美しいだけ。
ジャンヌさんの方が、毒々しさを振り撒いて圧巻です。しかも、その毒々しさの合間に見せるふとした表情。なんだかんだ言いながらも、上映禁止になりながらも、新しい版ができても、この映画が廃れないのは、ジャンヌさんのこの演技につきると思います。
プレーボーイ役のジェラ―ル氏は恋する場面ではうっとりするのだけど、後半話が急展開する段になると拍子抜け。マリアンヌのその後を知って動転する場面とか、もう少し丁寧に描いて欲しかったです。暖炉に倒れる場面も、如何にもとってつけー1960年代の撮影技術ではしょうがないんだと思いますがー、滑稽でした。後で知ったことですが、この時すでに病に侵されて、この後お亡くなりなる。体調が悪くて、演技・演出・撮影を急いだのかな?有名な俳優で、名作にも出ていらっしゃるのに、私はまだこの作品のみ鑑賞。ジェラール氏の演技を云々することはできないのだけれど、もったいないと思ってしまう。
恋の駆け引きとか淑女の振る舞いとか、フランスらしさに酔えるし、見どころいっぱいのはずなのに、どうも拒否感の方が強いです。ラストでスカッとしてしまうなんて…私って自分で思っていたより恋や愛に純情なのねと自己認識した映画でした。
そう言いながら、自分だったらこの題材どう料理するかな、なんて思いを巡らしていたりします。やっぱり良い材料が揃っています。それだけに、偉そうですが、材料を活かし切れていない感がぬぐえずちょっと残念に思うので☆3つです。
完成度は高いが、反社会的映画にされる
何度も 映画化、舞台化される原作
ゲームのように お互い浮気をし、報告し合う夫婦を モローとフィリップが演じている
モローは 衣装も豪華で 美しいのだが、策を巡らす主人公で「悪の華」そのもの
女優を美しく(官能的に)撮る ヴァディムの手腕は、
アネット・ストロイベリ(監督の嫁)と バレリーのフィリップ(バルモン役)との情事の場面で 光る
やはり、モロー、フィリップの存在感は格別で 従来のヴァディム映画とは、一線を画する出来
映像も 音楽も素晴らしいのだが、上流社会の退廃を 冷悧冷徹に描いており、英仏で 反社会的とされた
モローの 衣装(シャネル)も見処
また、ジャズファンには 嬉しい映画である
(モンクが情緒不安定で、アートブレーキーらが 更に加わる 等々 )
ジェラール・フィリップは 中年期に さしかかり、今後の活躍が期待されただけに、その死が 惜しまれる
謀略に長けた夫妻の話なので、美しい映画だが、
後味はあまりよくない
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