魔法の水車 サンポ

劇場公開日:

解説

フィンランドの口碑伝説の集大成である大叙事詩『カレワラ』の主な挿話の映画化。「剛勇イリヤ」と同様に、特殊撮影が駆使される。本多猪四郎が監修した日本語版。脚本はヴィクトル・ヴィトコービッチ、グリゴーリ・ヤグドフェルド。監督はアレクサンドル・プトゥシコとフィンランドのホルゲル・ハリヴィルタ。撮影はG・シェカウィイ、B・ヤクウシェフ、音楽はイーゴリ・モロゾフ。出演はウルホ・ソメルサリミ、アンナ・オロチコ、イワン・ボロノフ、アンドレイ・オシンら。製作はA・ステェフハンスキーとG・グズネツォク。

1958年製作/90分/ソ連・フィンランド合作
原題:Sampo
配給:中央映画社=東宝
劇場公開日:1962年6月1日

ストーリー

フィンランドのカレワラ地方のお話。若者レミンカイネン(アンドレイ・オシン)は森で働くうち、鍛冶屋イルマリネンの妹アンニイキ(ウルホ・ソメルサリミ)と恋におちた。イルマリネンは魔法の水車サンポが作れる世界中でただ一人の男だ。村人たちからサンポの製作を頼まれるが、それに必要な天体の火は魔女ロウヒが奪ってしまったのだ。ロウヒはアンニイキを誘かいし、イルマリネンをおどしてサンポをつくらせようとした。イルマリネンはレミンカイネンと共に村の老聖人の教えに従い、樫の老木で舟を作り、海を悪魔の島へ向った。ロウヒは二人に交換条件を出した。二人は言うままに毒蛇の原を耕し、そして、サンポを作った。最後にイルマリネンが天体の火を入れると、輝くサンポの三つの口から、金と小麦と塩がどんどん流れ出てきた。妹を引取って帰った。が、レミンカイネンはサンポ奪還のために一人、島へ引返えす。ロウヒの奸計のため殺されてしまった。カレワラでは、母が息子の帰らぬのを案じ、天地水の神々に祈った。彼女は神々の案内と保護により息子を連れ戻し、生きかえらせた。が、レミンカイネンはまたサンポを取り戻すために島へ向った。まず、ロウヒが閉じこめた霧を袋から出し、島を暗闇にし、騒ぎに乗じてサンポを奪い、筏で逃げた。が、ロウヒの魔法の嵐が彼を海中に没しさった。幾日かののち、彼はこわれたサンポを抱いて波打際に打上げられた。残念がる村人を老聖人が制した。サンポもいつか役にたつだろう。レミンカイネンのために結婚式をあげてやろう。式の最中に、ロウヒが忍んでき、太陽を奪ってしまった。不吉の前兆か。村人たちは式を中止した。猛吹雪は吹きつのり、花は枯れ、鳥は死んだ。村を恐怖が包んだ。老聖人は村人を集め、ロウヒを倒すための琴の製作を呼びかけた。村人たちは手に手に琴を持ち、進撃を始めた。あざ笑っていた悪魔たちは楽の音に力を失い、倒れた。逃げるロウヒを、レミンカイネンが打ち倒した。こうして、カレワラに光と平和がもどったのだ。

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