橋(1959・西ドイツ)

劇場公開日:1960年2月27日

解説

「最後の橋」「牝猫」等で俳優として活躍していたベルンハルト・ヴィッキが、監督に転じての長編劇映画第一作。マンフレッド・グレゴールの原作をミハエル・マンスフェルトとカール・ヴィルヘルム・フィフィアが共同で脚色、撮影はゲルト・フォン・ボニン。音楽はハンス・マルティン・マイエフスキー。出演するのはフォルカー・ボーネットをはじめとする無名の人達。

1959年製作/西ドイツ
原題または英題:Die Brucke
配給:東和
劇場公開日:1960年2月27日

あらすじ

敗戦前夜の中部ドイツ。高等学校の最上級生は十六歳。それより上はすでに戦場に狩り出されていた。こんなある日、はじめての空襲警報が鳴った。連合軍の飛行機が町はずれの橋に爆弾を落したのだ。ここは生徒たちの遊び場であり集会所であった。最上級生--母ひとり子ひとりの洗濯屋の息子ジギー(ギュンター・ホフマン)、理髪店の息子カール(カール・ミハエル・バルツァー)、代々軍人の地主の息子ユルゲン(フランク・グラウブレヒト)、ナチの地区指導者の息子ヴァルター(ミハエル・ヒンツ)。疎開して来たクラウス(フォルカー・レヒテンブリンク)、父を戦場に送ったアルバート(フリッツ・ヴェッパー)と彼の家に同居しているハンス(フォルカー・ボーネット)それとクラウスと仲のいい女生徒フランツィスカ(C・トランロウ)の八人は早速出かけていった。橋は無事だった。翌日とぼしい材料を集めてボートを作っていた一同のところに召集令状が来た。親たちの心配をよそに少年たちは“祖国のために”雄々しく入隊していった。その夜突如として非常召集が発せられた。アメリカ軍が近接したのである。少年たちは勇んで出陣した。彼らの守備位置は橋だった。少年たちを戦火にまき込みたくない--と願う隊長のせめてもの思いやりだった。ところが意外にもここに戦車が来た。やがて戦略的に破壊される橋とも知らず少年たちは勇敢に戦った。その反撃は一時的に敵を後退させるほどだった。しかしやがて橋はドイツ軍のため爆破されようとした。生き残ったハンスとアルバートは呆然とするとともにはげしいいかりにかられた。アルバートの銃口がドイツ兵に向けられた。“橋”は残った。あとにはハンスの死体をひきずって町に向うアルバートの姿があった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5 子どもを召集した時点で、戦争には既に負けている〜反戦映画の良作

2025年9月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

1959(日本は1960)年公開、旧西ドイツ映画。

【監督】:ベルンハルト・ヴィッキ
【脚本】:ミハエル・マンスフェルト、カール・ウィルヘルム・フィフィア、ベルンハルト・ヴィッキ
【原作】:グレゴール・ドルフマイスター〜『Die Brücke(独語で「橋」)』

主な配役
【ハンス】:フォルカー・ボーネット
【アルバート】:フリッツ・ヴェッパー
【ヴァルター】:ミヒャエル・ヒンツ
【ユルゲン】:フランク・グラウブレヒト
【カール】:カール・ミハエル・バールツァー
【クラウス】:フォルカー・リヒテンブリンク
【ジギ】:ギュンター・ホフマン
【フランツィスカ】:コルドラ・トラントフ

1.監督・ベルンハルト・ヴィッキ

彼は本作の3年後、『史上最大の作戦』のドイツ側の監督を務めた。
本作がいかに高く評価されたかが分かる。

戦時招集された高校生たちが、
一人、またひとりと死に行く姿をモノクロフィルムに収めた。

アンジェイ・ワイダの『灰とダイヤモンド』などは、
どこか虚無的な雰囲気だが、

本作は、

◆戦争の狂気
◆オトナたちの横暴
◆高校生のあまりに純粋な姿(若さゆえの正義感や無謀さ)

を、ほとばしるような情熱をもって創り上げた(ように感じた)。

2.教室から戦場へ

英語の授業から映画は始まる。

やがて、
軍服を着て、銃を持って戦場に向かう。
ちゃんと銃や弾薬が支給されているのは、日本と違う。
日本は竹槍だった。

脱走を疑われて味方に追われる兵士。

子どもたちが守る橋を通って、
全力で逃げるドイツ軍の将校や正規兵たち。

橋を守る独軍が子どもだと見抜いたアメリカ兵に
「幼稚園に帰れ!」、と英語で言われ、
幼稚園(Kindergarten)がドイツと同じ発音なため、
バカにされたと怒り射殺してしまう。

すぐ後ろに人がいるのに、
パンツァーファウストを発射してしまい、
大火傷を負わせてしまう。

観ていて胸が苦しくなった。

3.まとめ

原作の著者は、この虚しい戦いに巻き込まれた
7人の高校生のうちの唯一の生存者とのこと。

子どもや老人を召集し始めたら、
いくさには既に負けている。
反戦映画の良作。
☆3.5

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Haihai

4.0 敗戦濃厚なドイツの田舎町に起こった些細な事件、それは橋の上の7人の少年の悲運

2025年9月16日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

悲しい

驚く

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Gustav

3.0 洗脳?

2025年8月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

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映画イノッチ

4.5 実話に基づく

2024年8月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:その他

ドイツの小さな村で起きた、戦争史には記録されていない出来事だがあまりに悲しい… 生存者がその体験を書いた本がベースとなっている。

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ねむ