すべてを五分で

劇場公開日:

解説

年に一度のソ連の祝祭日“カーニヴァル”を舞台にした音楽喜劇。軽演劇畑の喜劇作者ボリス・ラスキンとウラジミール・ボリヤコフの脚本を若手のエリダル・リャザーノフが監督した。撮影はアルカージイ・コリツァトイ。作曲アナトーリー・レーピン。主演はモスクワ映画大学卒の新人リュドミラ・グルチェンコ、喜劇俳優のイーゴリ・イリンスキー、ほかにユーリー・ベロフ、ゲオルギー・クリコフなど。

1956年製作/ソ連
原題:The Carnival
配給:独立映画センター
劇場公開日:1957年6月29日

ストーリー

新年を間近にひかえたソ連のある町。“文化宮殿”では若者たちが新年の祭の準備に大童である。その中を進行係の若い娘レーナ(リュドミラ・グルチェンコ)が行く。彼女は青年たちの瞳れの的。中でも電気係のグリーン(ユーリー・ベロフ)は首ったけ。お祭の準備はどんどん進んだが、ここに大問題が起った。コチコチのお役人である臨時館長オグルツォフ(イーゴリ・イリンスキー)が「新年の祭は厳粛な行事にしなければいかん」と一同に言渡し、若い連中の陽気な計画の代りに、およそ退屈な計画を持出した。彼は若者たちのジャズ・オーケストラをふざけ過ぎると云い、もっと教育的な曲目をやれと命ずる。青年たちは大むくれ。とうとう大晦日の当日がきた。きらめくツリー、陽気な音楽、シャンパンをぬく音。文化宮殿は町の人々で埋った。レーナの歌う「十二時五分前」でカーニバルの幕はあいた。が、これから後の陽気な青年たちの考えたアトラクションを、どうしてオグルツォフの目をかすめてやるか。かくて青年たちは果敢なレジスタンスをやることにした。舞台にはオグルツォフが現れ演説を始めようとした。彼が原稿を出そうとポケットに手を入れた。と、出て来たのは鳩、泡をくってハンカチに手がふれると、それは小旗に変っている。観客は大喝采だが、これはレーナの頼みでやった手品師のトリックであった。一方、舞台の蔭ではグリーシャが、オグルツォフの依頼で“火星”講演にきた科学者先生を阻止するため大童。その効あって先生は酒に酔っぱらい講演そっちのけで陽気なレズギンカを踊り出す始末。しかし頑迷なオグルツォフは再び舞台に現れる。が、電気係のグリーシャの機転で、彼は見る見るセリ出しの中へ落込んで行く。青年たちの計画は無事に進み場内には歓声が渦まく。やがて新しい年の朝がきた。おめでとう! の言葉に、グリーシャもレーナの優しい接吻をうけた。

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