桃色大王
劇場公開日:1957年2月20日
解説
イスメット・リゲイラの原作で、旧エジプト国王ファルークを諷刺した『或る女のための王国』(“My Kingdom For A Woman”)をボリス・イングスターとジョージ・セント・ジョージが脚色、「月蒼くして」に出演のロシヤ人グレゴリー・ラトフの製作・監督した作品。撮影担当は「探偵物語」のリー・ガームズ、音楽は「居酒屋(1956)」のジョルジュ・オーリック。主演は、アブドラ大王にグレゴリー・ラトフ、彼をめぐって「古城の剣豪」のケイ・ケンドール、「ピラミッド」のシドニー・チャップリンなど。
1954年製作/エジプト・イギリス合作
原題または英題:Abdulla The Great
配給:新東宝=映配
劇場公開日:1957年2月20日
ストーリー
バンドリア国のアブドラ大王(グレゴリー・ラトフ)は、民に重税を課し栄華の限りを尽す砂漠の専制君主である。運命の神アラーはこの淫蕩な支配者に一人の女を与えた。美貌の英国女、ファッション・モデルのロニー(ケイ・ケンドール)である。王は忽ち彼女に夢中になるが、ロニーは軽蔑の瞳を投げつけて王の手を逃れる。逃れる途中、彼女はファリッド大佐(シドニー・チャップリン)に出会う。バンドリア国の優秀な士官であり、王制の批判者でもある大佐と語り合ううち、ロニーは彼に強くひかれる。一方、ロニーの拒絶に怒る大王は副官に彼女を連行するよう命ずるが、それを察知したロニーは大佐の助けでパリへ逃れる。しかしロニーを諦め切れぬ大王は、彼女がモンテカルロに現われると知るや早速そこへ飛び、再び追い回し始めた。舞踏会の夜、ロニーは公開の席で王を恥かしめ酔い潰させる。運悪く新聞社のカメラマンが忍び込んでいて、その場を撮られ王は物笑いの種となる。遂に王はロニーをヨットで海外へ連出すが、例の写真が発表されて国際的スキャンダルを巻起し、彼女を手放さなければならなくなる。そして王の留守中のバンドリア国内でも例の写真が国中にばらまかれたため民衆は憤激、革命の兆しが見え始めた。ロニーを深く愛するファリッド大佐は、彼女の誘拐を知り王に復讐を誓い暗殺を計るが発覚して投獄される。一方ロニーも大佐を救うため健気にも憎むべき王と結婚しようとする。だがその時、陸軍の士官に指導されて蜂起した数万の国民は、怒りをこめて宮殿を取囲んだ。途方にくれた王は初めて権力を失った自分を発見した。ファリッドは釈放され、今や疲れ果てた王は軍事委員会に出頭、退位要求の書類にサインする。自分の運命を変えた一人の女のことを考えつつ……。
スタッフ・キャスト
- 監督
- グレゴリー・ラトフ
- 脚色
- ジョージ・セント・ジョージ
- ボリス・イングスター
- 原作
- イスメット・リゲイラ
- 製作
- グレゴリー・ラトフ
- 音楽
- ジョルジュ・オーリック