恐怖の報酬(1952)のレビュー・感想・評価
全5件を表示
なぜそこまでして
初めに、荒くれ者を集めて説明するシーンで、
なぜかの緊張感!
これか!?
凄い、演者だけでなく観ているこちらまで
緊張してしまう、 何気ないシーンなのに。
ニトロを使って山を爆破するシーン、
仕掛けている人、
命大丈夫かな?
昔の人は何でも知っているんだな?
今の人、できる?
やっぱり、先の車が爆発した。
黒いタールの池からが、圧巻だった。
抜け出る術を知るジョーの知恵にも驚いたが、
仕方ないからとジョーを轢くマリオ、
ドキドキハラハラがぴったり!
ジョーが池に浸かり顔まで真っ黒になって
喉が渇いて水が欲しい、と訴えている時、
まず何かで顔拭いたりよ、
と言ってた自分がいた。
ほんとに俳優さんも大変、
ほんとに 恐怖の報酬、
マリオ、やっぱり事故ってしまった。
私でさえ先のストーリーが大体読める。
しかし、冒頭からの緊張感や、
橋か板から抜け出した途端落ちるシーン、爆発、池からの脱出、ジョーの死など
ハラハラドキドキする場面が随所にあり
そのドキドキ感が半端なかった。
主人公を全く好きになれなかったので、バッドエンドとはいえ、なんかそ...
主人公を全く好きになれなかったので、バッドエンドとはいえ、なんかそうだよねえと。そこに集約させるためのヒヤヒヤと主人公の嫌さとも言えるか。
『私は心配する係だ』
『最後まで二人で行くんだ。お前の力が必要なんだ。最後までな』
『お前は若いからラッキーだ。俺はもう老いぼれだ。』
この会話が要なのだと思う。正に名作た。
『私は心配する係だ』
『PLAN75』で、感動した方はこの映画を是非見てもらいたい。
ガキの頃(小学校三年生から五年生)見た時の印象が焼き付いていた。あれから、50年位経って二回目の鑑賞とは思えない。間で見た事あるのか?思い出せない。しかし、リンダ役の女性の魅力に取り憑かれた事を思い出した。最初に登場する場面が僕を早熟にさせたと記憶する。
この二人、友情以上の物があると感じるが、どうなのか?
サスペンス映画を代表するクルーゾー監督の演出の凄さとシャルル・ヴァネルの名演
サスペンス映画の筆頭に挙げられる、このアンリ・ジョルジュ・クルーゾー作品は、その評価に反しない実力と完成度を持っていた。危険極まりない大量のニトログリセリンを輸送する恐怖感を単刀直入に描破した演出の迫力と、緊迫した極限状態に置かれた役者の演技の両立により、その圧迫感は観る者に映画ならではの醍醐味を与えてくれる。
上映時間2時間10分の構造は明確に三部構成になっていた。第一部はベネズエラの街ラス・ピエドラスに居る主要登場人物と街の説明で、貧しい村落とその民衆、そして熱い日差しの気候が表現されいる。イブ・モンタン扮するマリオがよく出入りする薄汚れたバーの場面が面白く描かれており、そこの主人始め現地の人たちの性格描写もいい。ここにはマリオの恋人リンダがアルバイトをしている。しかし、何故彼ら白人がこの辺境の地に流れ着いたのかは、よく分からない。定職に就かない男たちの吹き溜まりのような場所であり、惨めに見えるが同情も出来ない。クルーゾー監督は人物を客観的に、あくまで乾いた演出タッチで描いている。だからマリオと友達付き合いになるジョーという中年男も謎の人物のままであり、通常の人間ドラマの深さはない。もっともニトログリセリンを積んでおんぼろトラックを運転する過酷な仕事に挑む男たちが、極普通の価値観や生き方をしてきたとは想像できない。この前提があり、アメリカ資本の石油会社は、4人の男たちに2000ドルずつの報酬を契約する。
第二部はサスペンスフルなクライマックスが連続する。険しい山道の上りのカーブを補強する木製の建造物がトラックの重さで歪む。その板を支えるワイヤーがマリオのトラックに引っ掛かり、車が何とか回り切るとその板が崖に崩れ落ちていく。この時ジョーは既にこの任務に怯えて自信を無くして怖気付いた醜態を晒している。次は大きな岩が道を遮っている。少量のニトロを注ぎ込んで爆破させるが、その破片が待機したトラックのニトロの容器に落ちてくる。ジョーを演じるシャルル・ヴァネルの恐怖に慄く表情が巧い。そしてマリオたちの先に行くトラックが悪路の振動で大爆破して車ごと木端微塵になり、男ふたりが跡形もなく消えてしまう衝撃が続く。道には石油が溜まり、ゆっくり通り越そうとするが、マリオの慎重な運転にも拘らずジョーの片足を引いてしまう。この事故を演出するクルーゾータッチとヴァネルの演技の凄さ。
第三部は、ひとり成功して生還するマリオの帰路と、ラス・ピエドラスで彼を待つリンダがカットバックされ結末を迎える。これ自体がラストカットのように物語を決定付ける語りの上手さがある。
巧みな構成によって作られたスリルとサスペンスの強烈で生々しい迫力に圧倒される。俳優の吐息が聞こえるようなクルーゾーの演出と特にシャルル・ヴァネルの名演が印象に残る、映画史に記録されるべき傑作だった。
1978年 10月21日 新宿アートヴィレッジ
雑な感じがすごくよかった
どの国が舞台なのか分からなかったのだけど、アフリカの北の方だろうか、登場人物の雑な生活ぶりが野生に近くて、開放感を感じさせすごく活き活きとしていた。特にあいつとばっか遊んでいるから、もう遊ばないというようなやり取りを男女問わずにしていて、それで女を泣かすとか、小学生のメンタルだった。職にあぶれた男たちが、飲み物を注文しないのに酒場にたむろしているのは、ゲーセンでお金もないのに遊びに行って他人がゲームをやるところをただ見ていたり、誰かおごってくれないかなとひたすら待ち続けているように見えた。
主人公のダルダルで穴の開いたタンクトップが随分お気に入りのようなのだが、当時、それは本当にオシャレだったのか非常に疑わしい。最終的に主人公が年長の仲間のジョーをひき殺したも同然なのだが、それも仕方がないような感じがした。
山でトラックを切り返すところは、前がスカスカに空いているのに、わざわざギリギリまでバックするなど、あれでドキドキするのは運転しない人だけだ。それか、もしかしたら、それも小学生的なメンタルでギリギリまで下げなくてはいられなかったのだろうか。
登場人物で、マリオが主人公で、同居していた友達がルイージという名前だった。スーパーマリオのキャラクターはここから来ているのだろうか。
マリオと一緒に乗っていたジョーが「お前も年をとれば分かる」と老化での衰えについて泣き言を漏らしていたのが非常に切なかった。
ただ2時間半もあって、けっこう飽きた。
全5件を表示