汽車を見送る男

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解説

「スパイ」のレイモンド・ストロスがジョゼフ・シャフテルと共同で製作したテクニカラーのスリラー、一九五三年作品。ジョルジュ・シムノン(「港のマリイ」)の原作小説から「わが心は君に」のハロルド・フレンチが脚色し監督した。撮影は「真紅の盗賊」のオットー・ヘラー、作曲・指揮は「極楽ホテル」のベンジャミン・フランケル。出演者は「白銀の嶺」のクロード・レインズ、「迷路」のマータ・トーレン、「スパイ」のマリウス・ゴーリング、「黄金の篭」のアヌーク、「ジェット機M7号」のハーバート・ロム、「かくて我が恋は終りぬ」のルチー・マンハイム、「バラントレイ卿」のフェリックス・エイルマー、「極楽ホテル」のファーディ・メイン、「三文オペラ」のエリック・ポールマンらである。

あらすじ

オランダの港町グローニンゲンにあるデ・コスター商社の会計主任キーズ・ポピンガ(クロード・レインズ)は、永年勤続で信用を得ている中年の男であった。彼は通勤の途中、毎朝汽車の走り去るのを見送るうち、いつかは自分も汽車に乗って旅する身分になりたいと思うようになっていた。ある日、会社へパリの警視庁からルーカ警視(マリウス・ゴーリング)が訪れた。デ・コスター社長(ハーバート・ロム)は帳簿を焼きすて、パリへ高飛びしようとした。というのも社長は、パリの情婦ミシェル(マータ・トーレン)に金を注ぎこみ、そのため会社は破産に瀕していたのだ。ポピンガは、もう一度考え直すよう社長を制止したが、社長は誤って運河へ落ち溺死した。ポピンガは、社長ののこした多額の現金入りのトランクを持って、パリ行きの列車上の人になった。彼は地位も妻子も捨て長年の夢を実現しようとしたのだ。パリへ着くと彼は直ぐミシェルの許を訪れたが、彼女は見すぼらしいポピンガが大金を持っているとは知らず、彼を追い出した。街にさまよい出たポピンガは、夜の女ジャンヌ(アヌーク)にホテルへ連れ込まれた。そのころ、彼は会社の公金拐帯犯人及びデ・コスター殺しの容疑者として当局に追われる身となっていた。ミシェルは、彼女の許を訪れたルーカからポピンガが大金を持っていることを聞き、ジャンヌを通じてポピンガを探し出し、前とは打って変った態度で彼を篭絡した。二人は歓楽街に遊び、ポピンガは泥酔して金の隠し場所を喋ってしまった。ミシェルは金を探しに出かけ、やっと見つけたとき、張り込んでいたルーカにつかまった。ルーカは彼女とともにポピンガのアパートへ向った。二人の姿を見たポピンガは裏切られたと直感して逃げ出し、刃物屋からナイフを盗み出してミシェルを特伏せ、狂ったように彼女を刺し殺した。ルーカはポピンガを鉄道線路に追いつめた。ポピンガは自殺を決意し驀進して来る列車の前に立ちはだかった。しかし列車は数米前でポイントを右折した。ルーカが追いついたとき、ポピンガは発狂し、デ・コスターの不正を口走っていた。

1953年製作/82分/イギリス
原題:The Man Who Watched Trains Go By
配給:NCC=BCFC

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