人間解剖

劇場公開日:

解説

日常生活の中で、突然襲ってくる災害。交通事故、火災、爆破事件、飛行機事故。文明が発達すればするほど、その災害のスケールも被害も大きくなるが、人々は自分だけはそんな目にあわないと盲目的に信じている。死と対面する人々の様様なケース、“生と死”というテーマにとりつかれた新聞記者の眼を通して描くドキュメンタリー。脚本・監督はファン・ローガン、撮影はフェルナンド・アリバスが各々担当。

1974年製作/スペイン
原題:Autopsy
配給:東京第一フィルム
劇場公開日:1975年6月21日

ストーリー

戦禍に荒れたベトナムのある村。廃屋の中で傷ついた少女が息を引きとった。戦争はいたいけな何の罪もない子供たちの生命を奪い、あるいは傷つける。ここを訪れた記者は、ナパーム弾で皮膚をこがした子供たちにカメラを向けながら激しい怒りをおさえることが出来なかった。/その彼も、ベトコンの襲撃にあい負傷した。辛じて助かり、久しぶりに我家に帰った。見舞いに来た友人のカメラマンに、彼は自分の念顔である“死に関するレポート”の最後の章である“人体解剖”の写真を撮ってくれるよう頼み込んだ。生物学者のデ・ラ・フォンテ教授に会った。教授は生命誕生の神秘を知る必要を説いて妊娠と胎児の成長、出産という厳粛な事実を披露してくれる。記者はさらにある病院を訪ね、最終目的である人体解剖の撮影取材を申し入れた。そのとき、もとサッカーの選手がかつぎ込まれ、急死した。遺言によって解剖されることになり、記者とカメラマンは立ちあうことになった。/眼をそむけたくなるような気持に何度も襲われながらも、とにかく一部始終を見つめた記者はフラフラになって部屋を出た。あまりのショックに口をきくことが出来ず“死”のむなしさを痛感した。同時に生きていることの素晴らしさが心の底からこみあげてきた。

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