わが愛を見つめて

劇場公開日:

解説

古都ストックホルムを舞台に、スチュワーデスとアメリカの黒人バレエ教師の愛を描くスウェーデン映画。製作・監督は「太陽のかけら」のグンナール・ヘグルンド、撮影はハッセー・ディトマー、音楽はジョニー・ナッシュが各々担当。出演はクリスティーナ・ショリン、ジョニー・ナッシュ、ニクラス・バールグレン、イングリッド・バックリン、カトリン・ベステルルンド、ラルス・リンドなど。

1971年製作/105分/スウェーデン
原題:Want So Much to Believe
配給:東京第一フィルム
劇場公開日:1974年10月15日

ストーリー

ストックホルムに住むリルモア(クリスティーナ・ショリン)は、一人息子のクラウス(ニクラス・バールグレン)を保育園に預けるとバレエ・スクールに向かった。彼女は前夫と離婚した後もスチュワーデスを続けながら、母と子の三人で暮らしていた。気晴らしにバレエを習おうと思いたち、今日が初めてのレッスン日だった。リルモアはバレエ学院長のリタ(カトリン・ベステルルンド)に黒人バレエ教師ロバート(ジョニー・ナッシュ)を紹介された。二、三日後、飛行場で偶然ロバートに会ったリルモアは、ストックホルムに来たばかりだという彼を街に案内した。こうして週に何度かのレッスン、度々開かれるパーティ、偶然の出逢いも手伝って、ほのかな愛情を感じあうようになった。数ヵ月後、二人に新たな問題が起こった。リルモアが妊娠したのである。その日、初めて娘の恋人に会うことになっていた彼女の母グレタ(イングリッド・バックリン)は、ロバートを見た瞬間、その驚きを隠すことができなかった。娘の恋人が黒人だなどとは考えもしなかったのだ。リルモアとグレタにとって気まずい毎日が続いたが、そんな周囲の思惑をよそにクラウスだけはロバートによくなついた。それだけがリルモアにとって心の支えだった。しかし、周囲の非難は卑劣な手段でロバートへも広がった。“黒んぼ国へ帰れ”のプラカードが部屋のドアにかかっていたのである。彼は怒りにふるえながらもリルモアのために、二人の将来のために耐えた。しかし、二人の努力も空しく、状況は悪化する一方で、やがてそれはクラウスにも及んでいった。その夜、クラウスはロバートのアパートに行き、リルモアの帰りを待ちながらプラモデルを作ってもらっていた。そのとき電話がなった。リタからで、ロバートに召集令状が届いたという。ロバートはそれを受け取るために、クラウスを一人残して部屋を出て行った。アパートの前でリタとロバートが話している間に、クラウスはあやまってローソクを倒してしまい、ロバートが気づいたときは部屋中、火の海だった。逃げる術を知らないクラウスは身体中にやけどを負い、その知らせを聞いたリルモアは病院に駆けつけた。そして、クラウスを一人残してリタと会っていたことを激しく責めた。しかし、ロバートは召集令状のことを隠して弁解はしなかった。一時の感情でリルモアは“二度と顔も見たくない”と口走り、二人の間に気まずい空白の日々が流れた。リルモアはロバートを忘れようと努めたが耐えきれず再び彼に会うためにバレエ・スクールを訪れた。やがて誤解がとけ、前にもまして深い愛情を確かめあった二人は、クラウスを連れて海に山にバカンスを楽しんだ。しかし、再び訪れた幸わせもつかの間で、バカンスの終わりには悲しい別れが待ちうけていた。最後の日、今まで隠していた召集令状のことをロバートは思い切って打ち明けた。翌朝、ロバートはリルモアをひとり残して、異国の空へ旅立っていった。リルモアは、必ず帰ってくるといった恋人の言葉を信じて、空をいくジェット機を見送りながら、いつまでも彼を待ちつづけることを胸に誓った。

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